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科学や医療を巡るあらゆる出来事を永山悦子・医療プレミア編集長兼論説室が読み解きます。

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「ガースー」よりも=永山悦子

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診療支援のため、北海道旭川市の病院へ到着した陸上自衛隊の看護官たち=9日午前、同市内で
診療支援のため、北海道旭川市の病院へ到着した陸上自衛隊の看護官たち=9日午前、同市内で

 新型コロナウイルス感染拡大で医療体制の維持が難しくなった北海道旭川市。雪が舞う中、支援の陸上自衛隊の看護官が病院へ入る様子を伝えるニュースを見ながら、今年4月に取材した北海道北部の病院長の話を思い出した。

 旭川市の北約50キロにある士別市立病院の長島仁院長(60)は「もともとこのあたりは医療崩壊している」と訴えた。常勤医は院長を含めて10人、平均年齢は59・8歳(いずれも当時)。赤字経営を改善するため、看護師など医療スタッフも定員ぎりぎり。コロナの院内感染が起きたり、医療物資が足りなくなったりすれば、診療を止めるしかない――と話していた。

 士別市立病院は、市内唯一の病院。主に慢性期の患者を担当し、緊急手術などが必要な急性期の患者は20キロ北の名寄市立総合病院か旭川市内の病院へ送ってきた。名寄も受け入れに限界があり、旭川の病院は北海道北部の医療を守るとりでだ。特に、冬は吹雪などによる交通事故が多く、遠距離の搬送には危険が伴う。

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