全国高校駅伝

仙台育英 男子2位、女子3位 /宮城

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男子の2位でフィニッシュする仙台育英の白井勇佑=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山崎一輝撮影 拡大
男子の2位でフィニッシュする仙台育英の白井勇佑=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山崎一輝撮影

 男子第71回、女子32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が20日、京都市で開かれ、男女で連覇を狙った県代表の仙台育英は、目標には届かなかったものの、ともに上位入賞した。男子は4区以降、2人が区間賞、もう2人が区間2位の好走で世羅(広島)を猛追したが13秒及ばず2位、女子は多くの選手がけがを抱える中、アンカーの米沢が先行の留学生らに食らいつき、3位だった。【面川美栄】

男子 4区からの猛追、及ばず

 昨年アンカーを走った吉居が今年はエース区間の1区に登場。ライバルの佐久長聖(長野)などの4位集団の中で安定したレースを展開したが「後半上げられなかった」との言葉通り、最後は離され7位でつないだ。

 たすきを受け取った後藤は昨年都大路を走れなかった思いも胸に力走。後半の2キロで佐久長聖と競い合ったが、ラストで失速。順位を4位に上げたものの「もう少し走れれば、埋められる差だった」と悔やんだ。

 3区を走ったケニア留学生の1年生、ムテチ。ライバルの世羅や倉敷(岡山)も留学生を起用し、レースが大きく動いた。佐久長聖と4位争いを展開したが、世羅の留学生が4人抜きでトップに上がり、トップとの差が1分19秒に開いて、5位で後半戦へ。

 真名子圭監督が「後半が強い」と言ったとおり、4区から選手たちが追い上げ始めた。3年連続で都大路を走る山平が最初からハイペースで突っ込み、区間2位の走りで健闘すると、5区の小原は区間賞で、5位から一つ順位を上げた。トップとの差は44秒と徐々に近づいた。

 6区を任されたのは堀。昨年は補欠にも入れず「昨年の彼からは想像できない」と真名子監督も驚くほどのスピードで猛追し、上位の背中も近づいてきた。区間1位で2位に浮上し世羅との差を31秒まで縮めてアンカーに望みをかけた。

 アンカーは、5000メートルの自己記録が13分台で、世羅のアンカーとほぼ互角の白井。県予選で優勝のテープを切った白井は「30秒くらいなら、お前ならいける」と監督に背中を押され全力疾走。差を13秒まで追い上げたが、あと一歩及ばずフィニッシュテープを切れなかった。

 真名子監督は「全区間走らせていただけたことに感謝。特に4区以降の走りには心を打たれた」と選手たちをねぎらった。

女子の3位でフィニッシュする仙台育英の米沢奈々香=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山田尚弘撮影 拡大
女子の3位でフィニッシュする仙台育英の米沢奈々香=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山田尚弘撮影

女子 けが人多くてもV争い

 女子はエース区間・1区に2年生の山中を抜てき。昨年は小海の区間賞獲得が優勝の流れを引き寄せ、山中は「今度は自分が流れをつくって貢献したい」と意気込んでスタートした。序盤に北九州市立(福岡)の酒井が飛び出し、2位集団で他の有力校の出方を伺う落ち着いたレース運びを展開。酒井は捉えきれなかったが、スパートで立命館宇治(京都)などの選手を抑え2位でたすきを渡した。

 2区は唯一の1年生、杉森が3位を守り健闘。すねや腰を痛め県予選は不出場の3区・小海に託した。「けがで練習が積めなかったが、レースでは関係ない」。小海はエースらしく言い訳せず、不安を振り払って走り出した。「走れるのがうれしくて」と都大路を楽しみつつ前を追った。「『もう1回、もう1回』とペースを上げようとしたが、力不足」と悔しがったが、先頭との差を縮め4位でつなぐ意地をみせた。

 初のメンバー入りを果たした4区の吉原は今年、3000メートルのタイムを20秒以上縮めた実力通り4位を死守。アンカーにつないだ。

 実は、8人中5人が故障を抱え、苦しい展開を覚悟していた釜石慶太監督。「米沢に全てを託す」との期待に応えるように、米沢は中間点で2人を抜き、優勝を目指した。しかしライバルと目していた神村学園(鹿児島)に加え、世羅の留学生が区間記録を大きく上回る異次元の走りで、日本人選手では区間1位の力走だったが2人を追うのが精いっぱい。3位でフィニッシュ後、「テープを切れなかったのは残念だが、自分のペースで走り切れたので悔いはない」と前を見据えた。釜石監督は選手の頑張りをたたえ「毎年優勝争いができるチームができてきた」と手応えを語り、来年のリベンジを誓った。


アンカー、1位に肉薄 仙台育英・白井勇佑(3年)

 男子の最終7区を任されたのは昨年の都大路2区で区間賞を取った白井。先頭・世羅との差は31秒、たすきを受けると、迷わずハイペースで突っ込んだ。

 愛知県出身。小学生の時に陸上を始め小学6年生から中学までの4年間、指導したのは、1区を走った吉居の父誠さん(51)。鳥栖工(佐賀)の選手として35年前に都大路を走り、トヨタ自動車(愛知)でも活躍した元実業団ランナーだ。

 誠さんは実業団時代に疲労骨折などの故障に悩まされた経験から、子どもらの体に合った練習に気を配り、水泳や自転車で心拍数を上げてから走る練習を取り入れた。白井は「走る量は少なかったが、走れる体になった」と感謝する。

 同郷で吉居の2歳上の兄大和さんが仙台育英に入学し、白井も後を追った。誠さんから見て、白井は「良い意味で力を抜ける」と話す。この日、テレビ越しに応援し、「素晴らしかった。優勝を狙いにいった姿勢はこれからも伸びる」と積極性を高く評価し、今後の成長に期待する。

 2位で終わり「支えてくれた皆さんに優勝する姿を見せたかった」と肩を落とした白井。真名子監督は「駅伝がどういうものか、後輩たちに教えてくれた」と白井の走りに涙した。【面川美栄】


 ◆男子メンバー記録 ※丸数字は学年

仙台育英=2位(2時間1分44秒)


区間・距離      氏名・学年  タイム   区間順位

1区(10キロ)    吉居駿恭(2) 29分17秒 7位

2区(3キロ)     後藤謙昌(3)  8分 8秒 4位

3区(8.1075キロ)ボニフェス・ムテチ(1)

                 24分 0秒 9位

4区(8.0875キロ)山平怜生(3) 23分 8秒 2位

5区(3キロ)     小原快都(3)  8分41秒 1位

6区(5キロ)     堀颯介(2)  14分28秒 1位

7区(5キロ)     白井勇佑(3) 14分 2秒 2位

県勢 男子過去5年の都大路成績

   年       順位  タイム

2015 仙台育英 11位 2時間5分16秒

     東北   47位 2時間9分45秒

  16 仙台育英 26位 2時間8分52秒

  17 仙台育英  3位 2時間4分59秒

  18 仙台育英 11位 2時間6分 7秒

  19 仙台育英  1位 2時間1分32秒


 ◆女子メンバー記録 ※丸数字は学年

仙台育英=3位(1時間7分48秒)

区間・距離      氏名・学年   タイム   区間順位

1区(6キロ)     山中菜摘(2)  19分40秒 2位

2区(4.0975キロ)杉森心音(1)  13分 8秒 7位

3区(3キロ)     小海遥(3)    9分54秒 4位

4区(3キロ)     吉原あかり(2)  9分29秒 7位

5区(5キロ)     米沢奈々香(2) 15分37秒 3位

◇県勢 女子過去5年の都大路成績

   年       順位  タイム

2015 仙台育英 11位 1時間9分46秒

  16 仙台育英 15位 1時間9分53秒

  17 仙台育英  1位 1時間6分35秒

  18 仙台育英  3位 1時間7分51秒

  19 仙台育英  1位 1時間7分 0秒

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