全国高校駅伝

学法石川、女子が初入賞 最高記録で悲願8位 男子は追い上げ16位 /福島

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女子の8位でフィニッシュする学法石川の小島さくら=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山田尚弘撮影 拡大
女子の8位でフィニッシュする学法石川の小島さくら=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山田尚弘撮影

 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が20日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に行われた。学法石川の男女は、女子が自身の過去最高記録(1時間10分7秒、2017年)を52秒更新する1時間9分15秒で8位となり、初入賞を果たした。男子は一時順位を31位としたが、吉田(3年)の7人抜きなどで順位を上げ、16位(2時間5分18秒)でフィニッシュし、意地を見せた。【肥沼直寛】

 「史上最強」の仕上がりに手応えを持って臨んだ学法石川の女子。昨年同様、1区に起用された長谷川(3年)は「みんなの気持ちが込められたたすきの重みを感じて臨んだ」。昨年の経験から自分のペースを意識した。4キロまで2位集団に食らいつき、9位と4秒差の10位でたすきをつないだ。

 大河原(2年)が走る2区は序盤の1キロに高低差20メートルの上り坂が続く。「入りの1キロが思っていたよりも遅かった」が、2キロ以降ペースを上げた。順位は落としたものの、粘り強い走りで13位で前半を折り返した。

 3区の小島彩(2年)は区間5位となる9分57秒の快走で、順位を11位に。「たすきを受けたときに3人の背中が見えたので絶対に順位を上げたかった」。目標タイムの9分30秒には届かなかったが、2人を抜き、笑顔でたすきを渡した。

 「行け!」。先輩の小島彩からたすきを受けた4区の佐藤(1年)は「少しでも順位を上げようと無我夢中に走った」。昨夜は緊張からなかなか寝付けなかったが、良い走りをイメージして緊張を和らげた。そのイメージのまま1年生ながら9分27秒(区間6位)と、順位も一つ上げて、アンカーにたすきをつないだ。

 10位でたすきを受け取った5区の小島さ(2年)は「まずは前の人を抜かそう」と意識した。最後に慌てたくないと、競技場に戻る前に仕掛け、常磐(群馬)と興譲館(岡山)を一気に突き放した。フィニッシュでは、両腕を軽く広げ、左腕に書かれた「史上最強」という文字を示しながら笑顔を見せた。

 競技場を出た小島さに、長谷川とオーダーを外れた主将の後藤(3年)が「よくやった。来年はもっと上だよ」と声をかけた。自分の上着を脱いで後輩に着せた後藤は「昨日は自分が走れないことが悔しかったが、それ以上に後輩たちが良い走りをしてくれた」。その目には、うれし涙が光っていた。【肥沼直寛】

男子の16位でフィニッシュする学法石川の大湊柊翔=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山崎一輝撮影 拡大
男子の16位でフィニッシュする学法石川の大湊柊翔=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山崎一輝撮影

男子は追い上げ16位

 2時間2分43秒(2019年)と3位(18年)の過去最高記録、過去最高順位の更新に挑んだ学法石川の男子。目標達成はかなわなかったが、強豪相手にチーム一丸となって追い上げを見せた。

 全国のエース級が集う1区には山口(2年)を起用。序盤は快調な走り出しだったが、4キロ付近で失速した。「気負いすぎて、普段は余裕を持って通過できる3キロもかなりつらかった」。区間31位と満足できない結果だったが、最後まで歯を食いしばりたすきをつないだ。

 山口からたすきを受けた小田切(1年)は、3キロ区間の下り坂で持ち味のスピードを発揮。「納得のいく走りではない」と話すが、1年生ながら8分18秒(区間15位)と順位を二つ上げ、チームに再び勢いを呼んだ。

 上り坂が約8キロ続く3区には、上りが得意の菅野(2年)を配した。県大会直前に負傷し、高校では自身初の駅伝出走となったが、「緊張よりも、初めてのレースが楽しみだった」。目標タイムには届かなかったが、徐々に順位を上げて25位に。

 再びチームを勢いづけたのは、4区吉田(3年)。「自分の仕事は目の前の一人一人を追い抜くこと」と、次々と先行するランナーを捉え、計7人抜き。自身初となる都大路で強心臓ぶりを発揮し、18位でたすきをつないだ。

 松田和宏監督が勝負の区間に挙げた5区は、西槙(3年)が8分56秒と安定した走りで、前を走る八千代松陰(千葉)との差を2秒縮めた。

 6区山崎(1年)は予想よりも切迫した場面でたすきを受け、「走りながら萎縮してしまった」と悔やむ。それでも初めての大舞台で14分43秒(区間7位)と快走を見せた。

 アンカーの大湊(1年)は前半から攻める自身のレースを展開したが、ラスト2キロで失速。それでも粘りの走りで順位を一つ上げてフィニッシュした。

 レース後、山口は「最後の大会だった3年生に申し訳ない。来年こそは優勝する」と言葉少なに雪辱を誓った。

菅野、悔い残る走り

 ○…チーム全員の思いを背負って臨んだ、初めての大舞台。目標タイムに1分近く届かず、3区菅野(2年)は「緊張はなかったが、いざ走るとペースが上がらなかった」と悔しさが残った。

 小中学校でバスケットボールをしていたが、トレーニングの一環で陸上部にも所属。中学3年の夏、郡山市中学校駅伝競走大会に出場し、松田和宏監督から勧誘された。昨年は目立つ存在ではなかったが、食事面から見直し、練習を重ねて頭角を現した。10月の県大会は直前に左足首を捻挫したが、悔しさをバネに11月には5000メートル14分9秒と自己ベストを更新した。

 「山口は大きな存在」と、同学年のエースを意識する。山口は昨年、1年生ながら都大路で2区に抜てきされ、5000メートルも高校男子の「一流の証し」とされる13分台。まだまだ差は大きいが「負けていられない」と自らを奮い立たせる。山口も「菅野に負けないように練習し、大舞台でも勝負できる選手になりたい」と話す。

 「学石の2大エースと呼ばれるようになりたい」。ライバルと切磋琢磨(せっさたくま)してさらに成長し、来年の都大路に戻ってくることを誓った。

フィニッシュ後、後藤主将に声をかけられるアンカーの小島さくら(左)=京都市右京区で2020年12月20日、肥沼直寛撮影 拡大
フィニッシュ後、後藤主将に声をかけられるアンカーの小島さくら(左)=京都市右京区で2020年12月20日、肥沼直寛撮影

自信の走りでチーム導く 学法石川女子アンカー・小島さくら(2年)

 「入賞を目標にこれまで練習してきた。ここで負けるわけにはいかない」。ラスト1キロで苦しくなったが、最後は気持ちでチームを初入賞に導いた。

 中継所に向かう直前も「自分が1番だと思っていた」と、誰よりも笑顔でリラックスしていた。自分の走りに自信を持つことができたのは、今年9月に仙台育英など東北の強豪校と行った記録会がきっかけ。3000メートルを走り、終盤まで集団を引っ張ることができたことで、「自分の走りが全国レベルでも通用する」と確信した。

 3区を走った双子の妹、小島彩(2年)の存在も力走の原動力となった。さらなる成長を求めて、2人で会津若松市から学法石川に進学。「お互いに負けたくない」と常に意識している妹の力走がテレビ中継に映り、刺激を受けた。

 悲願の初入賞を遂げた今大会。都大路を走った1、2年生4人が残る来年の目標は5位。自身もチームを引っ張る最高学年になる。「入賞はこれまでサポートしてくれた仲間のおかげ。仲間や親に感謝してこれからも成長したい」と新たな挑戦を見据えた。【肥沼直寛】


区間 選手  区間記録    順位  総合

女子・学法石川の記録

1区長谷川莉子(20分00秒)10位 10位

2区大河原萌花(13分25秒)13位 13位

3区小島彩乃  (9分57秒) 5位 11位

4区佐藤瑠香  (9分27秒) 6位 10位

5区小島さくら(16分26秒) 8位  8位

男子・学法石川の記録

1区山口智規 (30分27秒)31位 31位

2区小田切幹太 (8分18秒)15位 29位

3区菅野裕二郎(24分39秒)21位 25位

4区吉田凌  (23分31秒)10位 18位

5区西槙駿祐  (8分56秒)15位 18位

6区山崎一吹 (14分43秒) 7位 17位

7区大湊柊翔 (14分44秒)17位 16位

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