全国高校駅伝

女子、安城学園13位 男子、豊川は28位 /愛知

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
女子の13位でフィニッシュする安城学園の杉浦花音=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山田尚弘撮影 拡大
女子の13位でフィニッシュする安城学園の杉浦花音=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山田尚弘撮影

 冬の都大路を舞台に20日、京都市で開かれた男子第71回・女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)で、県勢は、安城学園・女子が初出場ながら13位と健闘。7年連続8回目出場の豊川・男子は28位だった。両チームとも入賞はかなわなかったものの、並みいる強豪のなかで、力いっぱいの走りをみせた。2年生以下の選手たちは手応えと悔しさを胸に、再び都大路に戻ると誓った。【井口慎太郎】

女子 安城学園13位 応援力に初出場健闘

 初出場の緊張を感じさせないのびのびとしたレース展開だった。いいムードを作ったのは、1区を任された磯部。スタート直後から首位を追うグループに食らいついた。ラスト1キロで周りのペースが上がり、ついていくのが難しかったが、「10番以内でいけたら良い」との目標を胸に7位と好発進。

 2区の竹田は序盤1キロの上り坂に苦戦。下りで追い上げようとしたが、思うように脚が回らず焦った。レース後に目を腫らし、「来年も必ずここに戻ってリベンジしたい」と雪辱を誓った。3区の小山は、そんな竹田の悔しさを胸に突破力をみせた。普段は800メートルを走り、スピードには定評がある。坂を「スイスイ登れた」とものともせずにスパートをかけ、順位を一つ上げることに成功。「沿道の応援に背中を押されました」。

 4区は大会間際に初めてメンバーに選ばれた渡辺。「チームメートより1本でも多く走ろう」と心がけて出場をつかみ取った。「下りでどんどん前に行けて楽しかった」と笑顔でたすきをつないだ。

 アンカーの杉浦は前後に他の選手がいない中、ペースが伸び悩む気がしたが「笑顔でたすきをつないだみんなのために」と地力を絞り出して13位でフィニッシュ。笑顔で支え合ったレースを終えた。

スタンドからチームメートを見守る安城学園主将の永谷千宙=京都市右京区のたけびしスタジアムで2020年12月20日、井口慎太郎撮影 拡大
スタンドからチームメートを見守る安城学園主将の永谷千宙=京都市右京区のたけびしスタジアムで2020年12月20日、井口慎太郎撮影

感謝忘れず後方応援 永谷千宙主将(3年)

 スタンドで中継を見つめ、チームメートに声援を送った。県予選では4区を走ったが、貧血などで調子が上がらず、この日は後方支援に回った。

 小学1年生の時から毎朝午前6時、地元・西尾市のグラウンドをたった一人、黙々と走っていた。幼いころぜんそくの発作で病院に行くことが多く、「気管支を強くしてぜんそくを克服したい」との一念だった。

 当時の姿を見ていたのが、毎朝同じグラウンドを走っていた米津倍之コーチ(77)だ。「小さな子が一人で。走れるようになりたいという強い気持ちを感じた。10年後に教え子になるとはね」と感慨深げだ。

 走り込みの甲斐もあって小学校のマラソン大会では1位を取り、中学生になるころには発作もなくなった。高校入学時は3000メートルが10分55秒と決して速くなかったが、米津コーチの助言をもとに、ピッチが落ちているときに意識的に手を振って記録をちょうど1分縮めた。

 負けず嫌いで努力家。そんな性格を買われ主将に抜擢された。いつも心にあるのはぜんそくを克服し、恩師や仲間との出会いをくれた陸上への感謝だという。

 この日もスタート前に1人1人に声を掛けて送り出した。仲間とともに初めての都大路に挑んだ姿は、主将としての自信に満ちていた。

男子の28位でフィニッシュする豊川の近田陽路=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山崎一輝撮影 拡大
男子の28位でフィニッシュする豊川の近田陽路=たけびしスタジアム京都で2020年12月20日、山崎一輝撮影

男子 豊川は28位 「一つでも前に」粘り

 各チームエースぞろいの1区を担ったのは主将の安藤。5キロ過ぎからついていくのが難しく、「後半で追い上げる」と自分に言い聞かせながら食らいついた。だが、思うように加速できず、25位で2区の大塚へつないだ。

 大塚は、10月に1500メートルの全国大会で優勝したエース。「一つでも前に、1秒でも詰める」と、順位を七つも上げる激走をみせた。それでも「ペースが上がらず実力不足です」と満足しなかった。

 3区は、故障が少なく安定感が持ち味の浅井。しかし、「緊張で体が動かなかった」と悔やむように、狙った所で粘れなかった。

 大会前に故障に見舞われた選手が続出したのも響いた。4区の吉村は県予選の際にねんざ。以来、練習に打ち込めず「体が付いてこなかった」と話す。5区の小林も10月に左膝を痛めて万全の状態でない中「最後は気持ちで」と踏ん張ったが、向かい風に阻まれた。

 6区の中野は県予選では区間新記録を出し「スピードには自信がある」。200メートル先の集団めがけて飛ばしたが、終盤で追い込めなかった。

 アンカーの近田は「このままでは終われない」。気合を込めてスパートを掛け、順位を二つ上げてフィニッシュした。

豊川の主将、安藤圭佑=京都市右京区のたけびしスタジアム京都で2020年12月20日、井口慎太郎撮影 拡大
豊川の主将、安藤圭佑=京都市右京区のたけびしスタジアム京都で2020年12月20日、井口慎太郎撮影

走れる喜びかみしめ 安藤圭佑主将(3年)

 「ガラスの脚」。主将、安藤の脚を土屋貴幸監督はこう評してきた。故障に悩まされた3年間。1年で左すねを故障したのに続き、左足首も痛めた。そのせいで1年間はレースに出られず、チームメートと同じ練習すらできなかった。

 だが、けがのたび「負けるのは嫌だ。絶対に復活する」と心に誓った。力みがちで地面を蹴ってしまう走り方が要因ではないか。ようやく結論にたどりついたのは2年の秋。矯正を果たしてグラウンドに戻ってきた。

 高校入学時、同学年で最速記録を持ち、期待を背負った。自分でも「早く全国レベルの大会に出たい」との思いからがむしゃらに走った。故障に見舞われ始めたのは1年秋からだ。めきめきと力を付けていく同級生を横目に、なかなか回復できないことに焦りもあった。だが、冷静に自分に目を向け、原因を探し続けた。

 2019年春、主将に選ばれた。「しっかり者で、チーム全体に気配りしながら引き締められる存在だから」。葛藤しながらも成長する姿を見守ってきた土屋監督の評だ。

 「走れるのは幸せなこと」。喜びをかみしめて疾走した都大路。「実力不足でした」と結果を悔やむ。だが、大学でも続ける気持ちは変わらず、次の舞台も見据えている。


区間 氏名    区間タイム  個人順位

1  磯部早良(2) 19分54秒 7

2  竹田実紗(2) 13分50秒 26

3  小山愛結(2) 10分00秒 8

4  渡辺柚那(2)  9分37秒 10

5  杉浦花音(2) 17分01秒 20

   合計タイム 1時間10分22秒

 ※丸数字は学年


区間 氏名    区間タイム  個人順位

1  安藤圭佑(3) 30分08秒 25

2  大塚直哉(2)  8分10秒 7

3  浅井皓貴(3) 24分40秒 22

4  吉村聡介(2) 25分07秒 45

5  小林亮太(3)  9分03秒 24

6  中野倫希(3) 14分49秒 15

7  近田陽路(2) 14分43秒 15

   合計タイム 2時間06分40秒

 ※丸数字は学年

あわせて読みたい

注目の特集