全国高校駅伝

男子・洛南3位 女子・立宇治5位 /京都

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男子の3位でフィニッシュする洛南の溜池一太=たけびしスタジアム京都で、山崎一輝撮影 拡大
男子の3位でフィニッシュする洛南の溜池一太=たけびしスタジアム京都で、山崎一輝撮影

 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)が20日、たけびしスタジアム京都(京都市右京区)を発着点とするコースで行われた。6年連続27回目の出場となった男子の府代表・洛南は2時間2分7秒と、日本高校最高記録(日本人選手のみで編成されたチームでの高校記録)を更新。4年ぶりの入賞となる3位に躍進した。32年連続32回目の出場となった女子の府代表・立命館宇治は、2019年の記録を45秒上回る1時間8分19秒で5位と、4年連続の入賞を果たした。通算入賞回数は24回と全国最多を更新した。【中島怜子】

男子 洛南3位 力出し切り記録更新

 7人が最後まで全力を出し切った洛南は、都大路に輝かしい記録を刻んだ。

 エースが顔をそろえる「花の1区」は、チーム内で誰よりも早く5000メートル13分台をたたき出した若林が登場。苦しそうに顔をゆがめて天を仰ぐ場面もあったが「ここで粘れば勝てる」と自分を信じて力を振り絞り、1位とわずか10秒差の3位でたすきをつないだ。

 2区は、2019年に7区で区間賞に輝いた小牧。20年は区間11位と満足していないが「前にいる選手に間隔を大きく空けられることなく走れたのは良かった」と振り返る。

 留学生も投入される3区は、奥村隆太郎監督が「キーマン」と呼ぶ佐藤。「将来、世界で戦う前に、都大路で留学生と競いたい」と監督に起用を志願していた。日本人1位で走りきり「留学生たちは速いペースで突っ込んでも、後半粘れている。自分も力を付けたい」と上を目指す。

 4区は都大路初登場の服部。レース中、慣れない靴に体が浮かないよう意識しながら走った。「抜かれてしまい3位だったが、突っ込んでいけた」

 5区の内藤は8分41秒で堂々の区間賞。「目標タイムの8分30秒には届かなかったが、素直にうれしい」。2位でたすきを託した。

 6区を任されたのは主将の佐野。後続も押し寄せていることを意識し、力を振り絞った。「走るメンバー、走らなかったメンバーみんなで力を合わせる『全員駅伝』ができた」と絆をかみしめる。

 アンカーの7区、溜池(ためいけ)は3位でフィニッシュし「個人的な記録は納得のいかない部分があるが、喜ぶ3年生の姿を見られてうれしい」。19年は惜しくも入賞を逃し、悔し涙を流した先輩の背中を見てきたからこそ、素直にそう喜んだ。

女子 立宇治5位 昨年タイム45秒縮め

女子の5位でフィニッシュする立命館宇治の村松灯=たけびしスタジアム京都で、山田尚弘撮影 拡大
女子の5位でフィニッシュする立命館宇治の村松灯=たけびしスタジアム京都で、山田尚弘撮影

 序盤から上位争いを演じ、一時はトップを疾走するなど、過去3回優勝の強豪に恥じない立命館宇治のレースだった。

 エース区間・1区の三原は、終盤の5キロ地点付近から2位集団を飛び出した。レース前はスローペースと考えていたが、北九州市立の予想外の独走に「早くスパートすべきだったが、集団のペースにつられてしまった」。それでも、3位でたすきをつなぐ。

 「集中して走れた」という2区の細谷。23秒あった1位との差を5秒まで縮める追い上げをみせ、2位へと順位を一つ上げる。

 3区は、府予選や近畿大会で2区を任された中地。大会前に右脚に痛みを感じ、思うように練習できず、納得いく走りができなかった。「苦しくなった場面でも粘れるようにしたい」と悔し涙をにじませたが、1位と6秒差の3位で中継所にたどり着く。

 「追いかける展開が好き」という4区の瀬川は、残り1キロを切った所で先頭に躍り出る。「主将に楽に走ってもらえるよう、1秒でも早く、もっと前に」と、同じ区間を走った1年生で最も早いタイムをたたき出す。

 1位でたすきを受け取った主将の村松灯(とも)は、3年連続のアンカー。ペースを落とさずに力走し、5位でフィニッシュした。「1位でたすきを持ってきてくれたのに、自分が順位を落としてしまった。悔しいし、チームのみんなに申し訳ない」と涙をあふれさせた。

 村松の妹結(ゆう)は、かかとのけがで出場できなかった。「アンカーはやっぱりお姉ちゃんが似合う」という結の言葉に勇気をもらったという。「終わった直後は自分への怒りを感じていたが、今までで一番楽しい大会だった」。クールダウンを終え、村松は前を向いた。

休校もけがも乗り越え 立命館宇治・細谷愛子選手(1年)

立命館宇治の細谷愛子選手(1年)=京都市右京区のハンナリーズアリーナで、中島怜子撮影 拡大
立命館宇治の細谷愛子選手(1年)=京都市右京区のハンナリーズアリーナで、中島怜子撮影

 2区を任された立命館宇治の細谷はレース中、先頭を走る選手と距離が縮まっていく手応えを感じていた。中継所手前の紫明通では大会前に見た映像を思い出し、コース取りを意識しながら更に距離を縮める。先頭に5秒差までに迫り、2位でたすきをつなぐ。1年生ながら、日本人で区間1位の力走だった。

 中学1、2年の時に出場した全国中学駅伝で区間新記録を2年連続で更新し、最優秀選手に2年連続で選ばれた。高校進学後、寮に入ったが、新型コロナウイルスの影響で休校になり、実家のある静岡に戻った。部員たちと一緒に練習できたのはわずか数日のみ。だがその数日で、レベルの高さに衝撃を受けた。荻野由信総監督からファクスで届く練習メニューを地元で1人、ひたすらこなした。

 休校期間が終わり、戻ってからも慣れない寮生活に戸惑った。勉強や部活動に加え、洗濯など身の回りのこともしなければいけない。7月には腰の骨を疲労骨折し、約1カ月間休養。「出遅れた」と不安を感じ、治ってから出場した大会でも消極的な走りが出てしまい、目標にほど遠い記録しか残せなかった。

 それでも荻野総監督は11月の府予選で、細谷に3区を託した。「全国で戦える1年生選手の1人」と信頼していたからだ。高校で初の駅伝に、細谷の緊張は極限に達した。「どうやったら夜、寝られるんだろう」と周りに漏らす程だった。

 府予選本番。荻野総監督のアドバイスを意識しながら「ただ走るのではなく『こうやって走ろう』と考えると、自分の走りがやっとできた」。誰にも抜かれることなく次にたすきをつなぎ、久しぶりに全力でやり切れた気がした。

 「先輩たちはとても優しくしてくれた。来年は後輩が入ってくる。走りに加え、人間性でもチームを引っ張れるようなエースになりたい」。試合後、荻野総監督には「来年はエースとして走れるよう、明日から頑張りたい」と既に伝えている。【中島怜子】


洛南

1区 若林宏樹(3)

2区 小牧波亜斗(3)

3区 佐藤圭汰(2)

4区 服部壮馬(3)

5区 内藤一輝(3)

6区 佐野拓実<3>

7区 溜池一太(2)

 ※丸数字は学年、白抜き数字は主将


立命館宇治

1区 三原梓(3)

2区 細谷愛子(1)

3区 中地こころ(3)

4区 瀬川藍(1)

5区 村松灯<3>

 ※丸数字は学年、白抜き数字は主将

〔京都版〕

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