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人工知能(AI)が人間を超えられないと言われてきた芸術の領域で、新たな試みが生まれている。来春、AIが作った原作を基にした短編映画が日本で初めて公開される。テクノロジーは創作活動にどんな影響を与えるのか。最新の実態を取材すると、芸術家とAIの新たな関係が見えてきた。【松倉佑輔、ロンドン横山三加子】
映画 脚本共作、来年公開
「とまと」という短編映画の脚本がある。「不登校の少年が、トマト栽培をきっかけに立ち直り、再び登校できるようになる」という、ありふれたストーリーだ。この脚本が普通と違うのは、AIが紡ぎ出した物語ということ。8月に映画化が決まった。新型コロナウイルスの感染拡大で撮影スケジュールは遅れているが、「日本初のAI映画」として、来年3月の映画祭での公開に向け準備が進んでいる。
AIを作ったのは「Ales」(アレス、北海道函館市)というベンチャー企業。エンターテインメント業界にいた社長の藤井竜太郎さんが、元人工知能学会会長の松原仁はこだて未来大教授(現在は東大教授)とともに2018年に創業した。藤井さんは「たくさんの物語のアイデアをAIが作ることができれば、さまざまなコンテンツ産業に応用できる」と語る。
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