連載
膨大な同業者が退場していった中で、彼らが日々を重ねられた理由は何か。幸運や巡り合わせというだけでは見過ごしてしまう細部があるに違いない。その知恵を広く共有すべく、じっくり語っていただいた。
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<since 1920>
キーコーヒーは、ブルーの地と黄色いカギのイラストを組み合わせた都会的なブランドマークで知られている。このマークの原形を1928(昭和3)年に決めた創業者、柴田文次氏(1901~74年)は「コーヒーは日本人の新しい食文化の扉を開くカギだ」という思いを込めた。
同社の前身は、文次氏が20(大正9)年、横浜市中区福富町に開いた「木村商店」。当時の横浜は西洋文化の窓口。翌年、甘みをつけた希釈飲料「コーヒーシロップ」を発売し一躍、ヒット商品に育てる。
23年の関東大震災で家族と店を失い、45年の横浜大空襲で被害を受けたが、そのつど事業を立て直し、46年に本店機能を東京に移す。55年からは「コーヒー教室」を全国で展開。97年には、お湯を注ぐだけで本格的なコーヒーを味わえる「ドリップ オン」を発売するなど一貫して文化をリードしてきた。
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