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つるつる道をゆく・山田祐一郎

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そばの釜揚げを知る

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「献上そば 羽根屋 本店」の「釜あげそば」。「割子そば」よりも麺がやや太めで、食べごたえがあった=筆者撮影
「献上そば 羽根屋 本店」の「釜あげそば」。「割子そば」よりも麺がやや太めで、食べごたえがあった=筆者撮影

 <くらしナビ ライフスタイル>

 2020年が終わる。年の瀬といえば年越しそば。福岡に住んでいながら、その年越しそばに博多発祥説があることを知ったのは、恥ずかしながらここ10年くらいのことだ。

 福岡のうどん文化を紹介する本を出版するにあたり、博多区の「承天寺」を改めて訪れた。承天寺は中国から製粉技術を持ち帰り、福岡にうどん文化をもたらした臨済宗の僧・聖一国師が開いた寺で、ここにはその歴史を刻む「饂飩蕎麦(うどんそば)発祥之地」という石碑がある。うどん、そしてそば―――。ここで初めて、博多がそば発祥地でもあることを自覚した。調べると、聖一国師が中国に渡る際、その渡航を助けたのが博多の貿易商、謝国明。彼が飢饉(ききん)のある年に、飢えて年が越せない人々に、今でいう「そばがき」のようにしてそばを振る舞った。すると、これを食べた人々に翌年、幸運がもたらされたのだという。そんなエピソードから、博多では大みそかに食べるそばを「福そば」「運そば」と呼び、年越しそばの発祥説の一つとしてこの逸話が今も語り継がれている。知ることは、いつだって楽しい。…

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