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第100回全国高校ラグビー

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ラグビーから学んだ経営理念/上 TBS社長 「個性を認めてこそ組織だ」

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高校や大学でのラグビー経験が個性を尊重する組織論に生きているというTBSホールディングの佐々木卓社長=東京都内で2020年11月27日午前10時52分、黒川優撮影
高校や大学でのラグビー経験が個性を尊重する組織論に生きているというTBSホールディングの佐々木卓社長=東京都内で2020年11月27日午前10時52分、黒川優撮影

 国内の企業経営者の中には、高校時代などのラグビー経験を組織運営に生かしている人もいる。東大阪市花園ラグビー場で27日に開幕する第100回全国高校ラグビー大会(毎日新聞社など主催)を前に、ラグビーから学んだ経営理念などを聞いた。【構成・黒川優】

佐々木卓・TBSホールディングス(HD)社長(61)

 私がラグビーと出合ったのは中学3年の時です。住友銀行(当時)の行員だった宿沢広朗さん(故人、元日本代表監督)が日本代表に選出されたという新聞記事を読みました。宿沢さんの身長は163センチで、当時の私と同じでした。運動は大好きでしたが背の低いことにコンプレックスを抱いていた私にとって、その新聞記事は「163センチでも日本代表になれるスポーツがあるんだ」と、100万人の応援団を得たような気持ちになりました。高校から大学までラグビーをやると決めて、早大学院(東京)を受験しました。

 高校2年生までは、東京都予選の2、3回戦で負けてしまうレベル。でも3年生の春、当時早大や日本代表の監督として名をはせていた大西鉄之祐さん(故人)がヘッドコーチをやってくださり、「お前らを花園に連れて行ってやる」と。とても合理的な練習のおかげで、その年の東京都予選決勝は、全国大会でも優勝候補と見られていた国学院久我山に奇跡的に勝つことができました。

「人生に引き分けなし」

 ただ、初めての花園では、浮足立っていたのかもしれません。花園には、若者たちを興奮させて歓喜の渦に巻き込んでくれる優しい神様もいると思いますが、選手たちをパニックに陥れる意地悪な魔物もすんでいると感じました。初出場の我々は、魔物にやられてしまいました。東京では経験できないような「生駒おろし」の寒さに驚き、立派な競技場や敷地の広さ、威圧感に足がすくみました。それから、開会式の入場行進で全国の猛者が集った時の恐怖に近い圧迫感。どれもこれもが私たちに襲いかかったことを覚えています。花園にいる魔物をやっつけなければ勝ち進めないんだと、花園に行ってみて初めて分かりました。

 私たちは初戦で引き分けて、抽選の結果、次戦に進めませんでした。それ以来、私は「引き分けを目指す人生は嫌だ、人生に引き分けなし」というのを胸に刻みました。勝ちか負けか決めないといけない、と意地を張るようになりました。私がミスをしたシーンは今でも鮮明に思い出します。その度にギャッと言いたくなります。

「突出した個性を認める」

 早大でもラグビーを続けましたが、別世界でした。「お金をもらってもやらない」というくらい、尋常ではない苦しい練習をし…

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