安倍政権「遺産」が菅内閣直撃 コロナ対応で支持率急落、不祥事追い打ち
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安倍政権の「継承」を掲げた菅政権を、安倍政権下での不祥事が揺さぶっている。22日には、「桜を見る会」前夜祭の費用を安倍晋三前首相側が補塡(ほてん)していた問題を巡り、東京地検特捜部が安倍氏を任意聴取したことが判明した。さらに安倍政権時に農相を務めた吉川貴盛氏が、大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」グループの元代表から農相在任中に現金を提供された疑惑が取り沙汰される中、健康問題を理由に衆院議員を辞職。菅政権にとって二重の打撃となった。
「桜」聴取と吉川氏辞任 「切り離し」必死のアピール
不祥事再燃は、内閣支持率急落に悩む菅政権に追い打ちをかけた。毎日新聞と社会調査研究センターが今月12日に行った全国世論調査での支持率は40%で、11月調査から17ポイント下落。不支持率は49%(前回36%)で不支持が支持を上回った。各社の調査の支持率も軒並み40%前後で、新型コロナウイルスの「第3波」への政府対応に対する不満が主な要因とみられる。
自民党の二階俊博幹事長は22日の記者会見で、安倍、吉川両氏の問題の政権運営への影響について「全くないとは申しませんが、十分心得て対応していくことが大事だ」と話し、一定の影響が生じると認めた。
菅義偉首相にとって安倍氏は7年8カ月にわたって官房長官として仕え続けた相手で、吉川氏は1996年衆院選の初当選同期。吉川氏は9月の党総裁選で首相陣営の事務局長を務め、その後の党役員人事では新設ポストの選対委員長代行として厚遇されていた。
首相と直結しかねない二つの問題に関し、政権は「切り離し」に躍起だ。二階氏は安倍氏の対応について「ご本人が考えておられるだろうから、それを待ちたいと思う」と述べ、吉川氏の疑惑に関しても「本人からの説明に我々は従いたいと思うが、まだ詳しいことは聞いていない」と語るにとどめた。公明党の山口那津男代表は、吉川氏に対し「自らに投げかけられた疑惑については説明をしていく必要があるだろう」と注文をつけた。
政権は吉川氏の議員辞職の要因を「間違いなく健康上の理由だ」(森山裕国対委員長)と位置づけ、疑惑と直結していないとの立場だ。ただ、安倍政権で農相などを歴任した西川公也元衆院議員が、アキタフーズとの関係を報道される中の8日に内閣官房参与を辞職したばかり。ベテランは「吉川氏は首相の側近中の側近だった。影響は避けられない」と顔をしかめた。
「桜」の影響も避けられない。安倍氏は首相在任中に「補塡は全くな…
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