ラグビーから学んだ経営理念/中 日本製鉄会長「チームの強みを考える」
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国内の企業経営者の中には、高校時代などのラグビー経験を組織運営に生かしている人もいる。東大阪市花園ラグビー場で27日に開幕する第100回全国高校ラグビー大会(毎日新聞社など主催)を前に、ラグビーから学んだ経営理念などを聞いた。【構成・黒川優】
日本製鉄・進藤孝生会長(71)
私は1965年、秋田高の入学式で、当時の鈴木健次郎校長(故人)から「汝(なんじ)何のためにそこにありや」という言葉をいただきました。「自分が何のために生きているのか」という問いに、常に明確に答えられるような日々を送りなさい、という意味です。そのためには学業とスポーツの両立が大事だと説かれました。私はこの式辞に非常に感銘を受け、運動部に入ることを決めました。
中学までは野球部だったのですが、高校の英語の授業で「自由と規律」という、慶応大の池田潔教授が英国のパブリックスクールでの体験を著した本を読み、その中に登場するラグビーに興味を抱きました。
「1時間練習」で花園に出場
当時の秋田高ラグビー部は、児玉市郎監督(故人)が「1時間練習」を掲げていました。進学校で夜遅くまで練習していては、勉強をしなくなってしまうし、入部もしてくれない。だから午後4時ごろから1時間程度、チームプレー中心の練習をして、5時ごろから30分ほど個人練習をして終わりでした。部員は、我々1年生を含めて17人しかいませんでした。何も分からない中、試合をしながらルールを覚えていきました。私の代は8人。県内の中学で野球をしていたので、体力はありました。
元々、花園に出るためにラグビーをしていたわけではありません。ラグビーで身を立てるつもりも全くなかったのですが、2年生の時、全国でも優勝候補だった秋田工を破って花園に初出場しました。「勝っちゃった」という感じでした。当時の先生方やOBからは「花園に出られたのはいいけど、1回戦で惨敗して帰ってくるのは勘弁してくれ」と心配されました。
初戦の相手は神戸村野工(兵庫)。キックオフの直前、吐き気がするほどの緊張感に包まれたのを覚えています。…
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