香港「デモの街」が「沈黙の街」に 消えた三権分立、強まる中国の締め付け

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
拘束された仲間の釈放を訴えて歩く民主活動家=香港で2020年12月10日、AP
拘束された仲間の釈放を訴えて歩く民主活動家=香港で2020年12月10日、AP

 中国の香港に対する統制を強化する国家安全維持法(国安法)が施行されて30日で半年となる。習近平指導部と香港政府による締め付けは急速に強まり、政府の方針に抗議する人が道路を埋め尽くした「デモの街」は「沈黙の街」と化した。「三権分立」の原則も損なわれつつある。追い詰められた民主派にとり、抵抗の最後のとりでは計479議席の約8割を押さえる18の区議会だが、ここも政府の圧力にさらされつつある。

裁判官にも政府に忠誠を誓う義務

 「香港に三権分立はない」。香港政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官が9月、こう断言した。中国側は、裁判官にも政府に忠誠を誓う義務があるとしており、香港で公平な裁判は期待できなくなりつつある。

 2019年6月の抗議デモを巡り、無許可集会扇動罪などに問われた民主活動家の周庭氏(24)が12月2日に禁錮10月の実刑判決を受けて収監されると「刑が重すぎる」との批判が相次いだ。

 従来と違い、裁判所が容疑者や被告の保釈を認めない事例も相次ぐ。さらに、国安法事件は行政長官が指名する裁判官が裁くなど「行政主導の司法」が進む。

 議会のチェック機能も損なわれた。中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は11月、香港政府が「忠誠を誓っていない」と判断した立法会(議会)議員は、議員資格を喪失するとの「決定」を採択した。これに基づき民主派4議員が失職。抗議した民主派議員が一斉に辞任し、立法会は事実上の「翼賛体制」となった。

「忠誠を誓っていない」民主派は出馬できない可能性も

 21年9月に立法会選が予定されているが「忠誠を誓っていない」と政府が判断した民主派は出馬できない可能性が高い。

 一方、…

この記事は有料記事です。

残り1991文字(全文2700文字)

あわせて読みたい

注目の特集