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「みそ漬け」巡り最高裁に激論の跡 なぜ袴田事件の再審開始を決められなかったか?

最高裁の決定を聞いた後、自宅で支援者に体のケアをしてもらう袴田巌さん(左)=浜松市中区で2020年12月23日午後2時38分、太田圭介撮影

 事件発生から半世紀余を経た袴田事件の再審請求審は、最高裁第3小法廷が、裁判官の意見が割れる異例の判断で差し戻しを決め、袴田巌元被告(84)の再審審理はさらに長引くことになった。戦後5例目となる死刑囚の再審無罪は実現するのか。【近松仁太郎】

再審の芽はついえたかにみえたが…

 再審開始を決めた2014年3月の静岡地裁決定を導いた新証拠の核心は、犯行時の着衣とされる「5点の衣類」に残された血痕のDNA型鑑定だった。

 5点の衣類は、現場近くのみそタンク内から事件の1年2カ月後に見つかった。弁護側鑑定人の法医学者は独自の方法で、衣類に付着した血痕のDNA型を採取したとし、弁護側は「血痕は袴田さんや被害者と一致しない」と主張。地裁決定はこの信頼性を認め、再審開始を導いた。

 一方、東京高裁の即時抗告審では、検察側が別の鑑定人を立てて検証実験を実施。約4年に及んだ審理の末、高裁は開始決定の根拠となった鑑定について、科学的原理や有用性に深刻な疑問があると判断し、再審開始を取り消した。

 小法廷も今回の決定で、5点の衣類のDNA型鑑定は、確定した死刑判決に合理的な疑いを挟む証拠とは言えないとし、高裁判断に軍配を上げた。この時点で再審開始の最大の根拠は失われたことになり、再審の芽はついえたかにみえた。

小法廷が着目した「衣類に付着した血痕の色」

 だが、小法廷は、確定した死刑判決が揺らぐ理由が見当たらないか、さらに検討を続けた。そして…

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