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記憶のバトン

国立ハンセン病療養所「長島愛生園」。差別に苦しみ戦いながら生きた人々の歴史をどう残していくのか、取り組みを取材した。

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長島愛生園90年/中 過酷な歴史、歌に残す シンガー・ソングライター 沢知恵さん /岡山

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記録が残っていなかった「愛生園少年団歌」を入所者に歌ってもらい楽譜をつくる沢知恵さん(右)=沢知恵さん提供
記録が残っていなかった「愛生園少年団歌」を入所者に歌ってもらい楽譜をつくる沢知恵さん(右)=沢知恵さん提供

 11月20日に行われた長島愛生園の創立90周年の記念式典では、かつて園の入所者に親しまれていた「園歌」などがピアノコンサートで披露された。演奏したのは、岡山市のシンガー・ソングライター、沢知恵さん(49)。沢さんは園の機関誌「愛生」の90年記念号発行を機に、誤記が多かった過去の楽譜を全て改訂した。過酷な歴史の中で作られた歌を見つめ直し、「音楽を通じてハンセン病の歴史を多くの人の心に届けたい」と願っている。

 沢さんは、神奈川県出身で、東京芸術大在学中に歌手デビュー。2001年から毎夏、幼い頃に牧師の父と訪問したことがあった高松市の国立ハンセン病療養所「大島青松園」でコンサートを開催している。6年前に岡山に移住し、現在は岡山大大学院で「ハンセン病療養所の音楽文化」をテーマに研究。全国の療養所の「園歌」を集め、その歴史や歌詞に込められた意味を知るため、入所者への聞き取りを重ねている。

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