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菅首相のコロナ対応 正念場の覚悟が見えない

 年末年始を控え、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。「第3波」が広がる中で、わずか1カ月で1000人以上が亡くなった。

 深刻な事態にもかかわらず、政府が出すメッセージを聞く限り、医療現場の危機感が共有されているとは言いがたい。これでは国民がとまどうばかりだ。

 日本医師会など9団体は「医療緊急事態宣言」を発表した。医療崩壊を防ぐには感染者を増やさないことが最も重要だと訴え、徹底した感染防止対策を取るよう国民に呼び掛けている。

 東京都は不要不急の外出を自粛する「ステイホーム」を都民に促している。

 政府は、旅行需要喚起策「GoToトラベル」を2週間に限り全国一斉に停止することは決めた。だが景気刺激策をやめるだけでは、感染対策として不十分だ。

 11月末からの「勝負の3週間」は失敗に終わった。新規感染者数を減少に向かわせることができるかどうかは、年末年始が正念場だ。中でも感染者の増加が続く首都圏の対応が重要だ。

 専門家による政府の分科会は対策強化のポイントに飲食の場を挙げている。飲酒のあるなしや昼夜を問わずに、感染が広がるケースが確認されているという。飲食店に午後10時より早い時間の閉店を要請するよう提言している。

 東京都は「事業者の協力を得にくくなる」と慎重な姿勢だ。だがこの間、繁華街の人出が減少した北海道などでは新規感染者数の低下がみられている。

 群馬県など地方でも感染者が増え、首都圏から拡散しているとみられる。政府は営業時間短縮に応じる飲食店への支援策を含め、都と緊密に協議する必要がある。

 帰省や旅行をしてよいのか迷っている人も多いだろう。「帰省の慎重な対応」や「静かな年末年始」を訴えるだけでは、どう行動すべきか判断材料に欠ける。政府は対策の強化策を明確に示さなければならない。

 菅義偉首相は就任以来、コロナ対策を説明するための記者会見を開いていない。落ち着いた年明けを迎えるためにも、自らの言葉で国民の心に届くメッセージを発すべきだ。

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