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検証・安倍政権

7年8カ月余りにわたった第2次安倍晋三政権が幕を閉じました。数々の疑惑、課題が残されたままです。

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政治家立件、高いハードル 政治資金報告書「不記載」、安倍氏関与の証拠見つからず

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記者会見する安倍晋三前首相=衆院第1議員会館で2020年12月24日午後6時33分、竹内幹撮影
記者会見する安倍晋三前首相=衆院第1議員会館で2020年12月24日午後6時33分、竹内幹撮影

 「桜を見る会」前夜祭を巡る東京地検特捜部の捜査は24日、公設第1秘書のみを略式起訴、安倍晋三前首相を不起訴として終結した。政治家立件のハードルの高さがまたも浮き彫りになったが、「知らなかった」で済まされるのか。政治責任は厳しく問われそうだ。

 特捜部は告発容疑のうち、公職選挙法違反については前夜祭参加者が寄付を受けた認識がないことから責任を問うのは難しいと判断し、政治資金規正法の不記載に焦点を当てて捜査を進めた。結果的に、安倍氏が事件に関与した証拠は見つからず、過去の同種事件と比較して処分を決めた。

 前夜祭を巡る特捜部の捜査は、安倍氏が首相を辞任した9月以降に本格化した。安倍氏の政治団体の政治資金収支報告書には2014年以降、参加者から集めた会費収入や、ホテル側への支払いの記載がなかった。特捜部は、ホテル側から資料の提出を受けて収支を調べ上げ、16~19年分は1円単位で特定した。

 捜査関係者によると、その結果、4年間で、参加者から集めた会費は多い年で383万5000円、少ない年で229万3000円、総額は1157万3000円だった。一方で、支出は多い年で634万2732円、少ない年で355万1100円、総額は1864万9392円に達した。不記載の総額は収支合わせて3022万2392円に上り、後援会による収支の差額の補塡(ほてん)は約708万円と判明した。前夜祭の収支が合わない実態を表に出したくないとの考えが事件の背景にあった可能性がある。

 ただ、安倍氏が不記載に関与したとする証拠は見つからなかった。会計を実質的に取り仕切っていた後援会代表の配川博之・公設第1秘書は、特捜部に不記載の事実を認めたが、自身の判断だったとし、安倍氏の関与はないという趣旨の供述をしたとみられる。

 安倍氏側も「補填が本人に伝わったのは首相辞任後の11月後半」とし、安倍氏本人も特捜部の事情聴取に秘書らと足並みをそろえた説明をした模様だ。

 同種事件で検察が起訴を検討する材料の一つは額で、億単位が目安とされる。元秘書2人が在宅起訴された小渕優子・元経済産業相の政治資金規正法違反事件では虚偽記載額が5年間で約3億2000万…

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