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「札幌で知らない人がいない」おにぎり店 なぜ浦和に本州1号店

ありんこ浦和店の開店初日、チラシを配る南部均社長=さいたま市浦和区で2020年1月29日、藤田祐子撮影

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 JR浦和駅に近い旧中山道から埼玉県庁前まで、レトロな店が連なるさいたま市浦和区の「裏門通り」。その一角に1月、おにぎり専門店「ありんこ」浦和店がオープンした。札幌市で1980年に1号店を開業し、これまで同市内で7店をチェーン展開してきた。「札幌では知らない人がいない」と道産子の同僚は語るが、それにしても、本州進出1号店がなぜ浦和なのか?

 「家主さんが札幌駐在中の常連で、『ぜひ出店して』と口説かれたんです」。開業初日、店頭にいた創業者の南部均社長(73)からそう聞いて驚いた。

 店が入るビル所有者の男性(60)によると、男性は会社勤めで2015年から3年間、札幌に単身赴任した。勤め先近くに「ありんこ」があり、注文してから握る温かいおにぎりに「胃も心も癒やされた」という。「吟味された米、のり、具材。熱々の豚汁とセットで栄養のバランスも良く、一度食べると戻れません」

 その後、札幌のビジネス塾で南部社長と知り合い、人柄や経営方針にも魅了された。「どんなに混雑しても絶対に作り置きはしない頑固さ。塩分が気になる人は塩を減らせるなどのきめ細かさ。札幌では、たとえ行列が長くても文句一つ言わず完成を待つ風景が当たり前です」

 男性の家は元々、裏門通りに江戸時代から続く商家だった。09年に看板を下ろすまで、米や燃料の小売りを代々営んでいた。建物が老朽化し、店舗兼住宅の建て替えを迫られた時、住宅のみにする選択肢もあったが「子供の頃のにぎやかな裏門通りを知る身として、通りが活気づく店を呼び込み、地元に恩返ししたいと考えました」。多くの人に愛され、流行に左右されず、長く続く業態は何か。浮かんだのが「ありんこ」だったという。

 一方、全店舗を毎日見回る南部社長は「隅々まで目の届く店舗運営」が身上。浦和出店は経営理念を変える大きな決断だった。「若い頃は全国展開を夢見たこともあった。人の縁を感じました」と遠い目をする。

 ほかほかのおにぎりには、北の大地での出会いが詰まっている。【藤田祐子】

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