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「毎日、友人が殺された」 「アラブの春」は遠く 故郷脱出した難民「世界に見捨てられた」

帰れなくなったシリア北部の故郷アレッポを思い、目に涙を浮かべる難民のヒシャーム・エスカフさん=トルコ南部ガジアンテップで2020年12月7日、真野森作撮影

 2010年12月にチュニジアで始まった中東の民主化要求運動「アラブの春」が11年3月に遅れて波及したのがシリアだった。だがバッシャール・アサド大統領(55)の退陣を求めるデモ隊に政権側は武力弾圧で応じ、シリアは「春」どころか内戦に陥った。戦乱を避け、国を脱出した難民は約558万人。彼らは今、何を思うのか。【ガジアンテップ(トルコ南部)で真野森作】

 「私の夢は家族を連れてアレッポに戻り、城の前でコーヒーを飲むこと。でも殺害される危険があるので帰れない」。シリア北部アレッポで約250年続く旧家出身の元教師、ヒシャーム・エスカフさん(43)は4年前、トルコ南部ガジアンテップに逃れた。アレッポ城と似る6世紀建造のこの町の古城を眺めて暮らす。

 約40万人が命を落とした内戦は、一つの「落書き」がきっかけとされる。シリア南部ダルアー県で政権批判の落書きをした少年が治安当局の拷問を受け、これに抗議する11年3月15日の住民デモがやがて全土に拡大した。

強権支配40年、「ついに夢がかなう」とデモに参加

 エスカフさんはデモが本格化した時、「ついに夢がかなう」と思ったという。アサド氏の父ハフェズ・アサド氏が1971年に大統領に就任して以来、アサド家による強権支配は11年の時点で40年に及んでいた。「国富は一部の人に握られ、医者やエンジニアなど優秀な人材は外国に活路を求めていた。もうたくさんだと思った」。デモに参加した当時の気持ちをそう語る。

 11年と12年に2度、治安当局に拘束された。電気ショックなどによる拷問の傷は消…

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真野森作

1979年生まれ。2001年入社。北海道報道部、東京社会部などを経て、13~17年にモスクワ特派員。ウクライナ危機を現場取材した。20年4月からカイロ特派員として中東・北アフリカ諸国を担当。著書に「ルポ プーチンの戦争」(筑摩選書)がある。

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