毎日新聞
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新型コロナウイルスの影響で、スタジアムから歓声が消えた。校庭からも、体育館からも、スポーツを愛する子供たちの笑顔が消えた。だが、アスリートは諦めない。次世代を担う新星も、不屈の精神を誇るベテランも、志を貫き、現状を超えようとしている。
コロナ下の社会とパラアスリートの境遇には共通点があるという。今井は「生まれてから障害を負ったパラアスリートは、それまでの『普通』ができなくなる。コロナの世界と似ている」と語る。
中学3年の時にプールでの飛び込み事故で首を骨折し、手足などの多くの機能を失った今井。「選手は困難な状況から希望を見いだすために工夫して適応し、体を極限まで高める。その姿が何かのヒントになれば」と、コロナで常識が一変し戸惑う人に心を寄せる。
一方の池崎は6歳で手足の筋力が徐々に低下する難病を発症した。「人知れず苦しむ人はいる。僕は車いすラグビーと出合い、人生が変わった。乗り越えられない壁もあるが、いかに付き合うかを考える」と説く。
2人は成人後に競技を始め、2016年リオデジャネイロ・パラリンピックで銅メダルを獲得し、18年世界選手権で優勝に貢献。その言葉に実感がこもる。競技の普及や次世代育成を見据え、19年には新たなクラブチームを設立した。
今井は「コロナで落ち込んだスポーツをもう一度盛り上げたい」と語り、「障害を持っている子がアスリートとして人生を歩めると証明し、人生の選択肢を増やしたい」と池崎。逆境でも前進し続ける二人だ。【谷口拓未】
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