特集

第100回全国高校ラグビー

第100回全国高校ラグビー大会の特集ページです。

特集一覧

スクール・ウォーズの軌跡

「ドラマは非日常的でいい」が口癖 スクール・ウォーズに込めた名物プロデューサーの思い

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
「『スクール★ウォーズ』を作った男」の著者の山中伊知郎さん=東京都北区で2020年11月17日午後3時11分、堤浩一郎撮影
「『スクール★ウォーズ』を作った男」の著者の山中伊知郎さん=東京都北区で2020年11月17日午後3時11分、堤浩一郎撮影

 12月27日に開幕する全国高校ラグビー大会(毎日新聞社など主催、東大阪市花園ラグビー場)は第100回の節目を迎える。長い歴史の中で多くの人々の記憶に刻まれたチームの一つが、第60回大会(1980年度)で初優勝した伏見工(現京都工学院)だ。実話を基に、不良少年たちがラグビーを通して更生し、生きがいを手にする軌跡を描いたテレビドラマ「スクール・ウォーズ」(84年10月~85年4月)の影響も大きかった。この「物語」に、いち早く着目した人物がいた。

 「『スクール★ウォーズ』を作った男」という本がある。2004年に洋泉社から刊行された。「スクール・ウォーズ」を手がけたのは、制作した大映テレビの名物プロデューサー、春日千春さん(16年に82歳で死去)。春日さんから当時の熱い思いを聞き出したのが、著者の山中伊知郎さん(65)だ。

「視聴率を取る職人」

 春日さんは早稲田大の「稲門シナリオ研究会」の先輩で、指導を受けてドラマの台本を書いていた時期もある。「スクール・ウォーズ」が始まる前、春日さんは数々のドラマをヒットさせ、円熟期の50歳だった。山中さんには「節目に『記念碑』的なドラマを作りたかった」と明かしている。

 警備員の主人公が斬新だった「ザ・ガードマン」(65~71年)、日本でも人気を呼んだ米国ドラマ「奥さまは魔女」のテイストを取り入れ、「秘密」がばれそうになるドキドキ感とドタバタ喜劇をミックスさせた「おくさまは18歳」(70~71年)、トップアイドルだった山口百恵さんを起用した「赤い運命」(76年)など、人間関係の深淵(しんえん)に迫った「赤い」シリーズを手がけたことで知られる。一方で本業は歌手の松崎しげるさんと、シリアスな役が多かった国広富之さんがはじけまくる異色のコメディー「噂(うわさ)の刑事トミーとマツ」(79~82年)も担当するなど、大衆受けする話題作を連発した。

一貫した「熱と愛」

 山中さんが言う。「制作会社としては、売れないと生き残れない。何が当たり、視聴率を取れるのか。当時の春日さんには、職人的な感覚があった」。幼い頃から紙芝居、時代劇が大好きだったという春日さんは「次回も、請うご期待」というような大げさな演出とともに、「頑張った者は報われる」という、まっすぐなメッセージを「スクール・ウォーズ」にぶつけた。

この記事は有料記事です。

残り1057文字(全文2028文字)

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集