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安倍首相主催の「桜を見る会」に首相の後援会関係者が多数招待され、「公費の私物化」と批判されています。

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「桜を見る会」のモヤモヤまたも年越し…安倍前首相の「釈明国会」を見に行った

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衆院議院運営委員会で立憲民主党の辻元清美氏の質問に答えるため挙手をする安倍晋三前首相=国会内で2020年12月25日午後1時36分、竹内紀臣撮影
衆院議院運営委員会で立憲民主党の辻元清美氏の質問に答えるため挙手をする安倍晋三前首相=国会内で2020年12月25日午後1時36分、竹内紀臣撮影

 実に残念な年の瀬である。今年こそ旧年中のモヤモヤを振り払い、さっぱりとした気分で新年を迎えたかったのに。昨年から追い続けている「桜を見る会」のことだ。安倍晋三前首相が25日、政治資金規正法違反で公設秘書が略式起訴された前夜祭について、国会で説明に臨んだのだ。もちろん記者も駆けつけたのだが、すっきりするどころか、モヤモヤばかりが膨らんでしまった。【吉井理記/統合デジタル取材センター】

「なんで記者会見したんだろう?」

 師走の寒風の中やってきた国会議事堂。国会議員や政治部記者にはなじみ深いだろうけど、私のような「部外者」の記者には迷路のよう。

 というのも、国会中継でおなじみ、衆参両院の「本会議場」のほか、予算委員会が開かれる「第1委員会室」をはじめ、議事堂内には各党や各会派の部屋や控室、議長・副議長の部屋、はては「第3理事会室」「第8委員会室」「第17控室」といったナンバーだけが表示された部屋がごろごろしている。しかも、地下街によくあるような丁寧な案内表示はほぼ皆無。国民のための施設なのに、何だか不親切だなあ。

 この日、安倍氏が釈明するのは衆参両院の議院運営委員会(各1時間)。同業者らしき人に道を尋ねつつ、会場の衆院第1委員室にたどり着いた時には早くもぐったり。半ば仕事を終えた気分である。

 前日の24日、安倍氏は記者会見を開いたが、記者の脳裏の疑問は膨らむ一方だったのだ。

 例えば――。

 ①そもそもなぜ、桜を見る会前夜祭の収支を政治資金収支報告書に記載しなかったのか②前夜祭の費用が参加者の会費だけでは足りず、安倍氏側が補塡(ほてん)しなければならないのに、なぜ「5000円」という格安の会費を設定し続けたのか③そもそも会費はだれが設定したのか④前夜祭会場となったホテルが保管している明細書を安倍氏らが確認していれば「補塡」の事実はもっと早く判明していたのに、なぜしなかったのか――などなど。

 何より「私の政治責任は極めて重い」(24日の記者会見)のなら、どう責任を取るというのだろうか?

 国会での説明は衆参各1時間の計2時間。これだけ時間があるのだから、モヤモヤはかなり晴れるのでは? そう期待して記者席にどっかと腰を下ろし、安倍氏の登場を待ち構えていたのである。すると、近くにいたカメラマン同士がヒソヒソ小声で話し合っていた。

 「今日国会で説明するのに、なんで昨日記者会見したんだろうね? まずは国会で説明するのが筋だろう」「きっと世間の反応を見てみよう、と思ったんじゃないか。会見を観測気球にしたんだな」

 ふむふむ、なるほど。さもありなん、という気がしてきた。

またも登場「責任を痛感」

 さて、その安倍氏。定刻の午後1時直前、衛視やSPに囲まれて登場した。早く、さっそうとした足取りで、居並ぶ記者団には目もくれず委員室へ。安倍氏のための「釈明国会」の幕がついに開いた。

 まず冒頭、約2分半の安倍氏の弁。24日の会見の言葉をほぼそのまま流用した。

 「道義的責任を痛感」「深く深く反省し」と言いながら、「私が知らない中で行われていたこととはいえ」「結果的に」と、ホントは自分に責任はないんだけど、とでも言いたげなセリフを挟むのも同じ。「責任を痛感」という言い回し、首相時代から繰り返し使ってきたが、ここでも登場した。冒頭からイヤな予感がしてきた。

 疑問を解明するための質疑が始まった。予感は的中した。

 まず衆院の議運委。

 立憲民主党の黒岩宇洋氏から「前夜祭は実際には1人あたりいくらかかったのか」と問われたのに、安倍氏は「収支報告書におきまして、会費収入が229万3000円、宴会費は355万1100円……」などと、なぜか各年の報告書の訂正金額を答える。何度かのやりとりの末、「一人頭いくらというのは質問通告を頂いてないので(不明だ)」。ここまでで黒岩氏の質問時間15分のうち、4分あまりを消費。「自分でホテルの明細書をなぜ確認しなかったのか」という問いにも、「(ホテル側が)公開前提では出せないと説明している」と正面から答えない。なんだか既視感がある。

 その後同党の辻元清美氏は…

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