摂食障害 もう一つの「更生」 自らを見つめる女性受刑者 再犯しないために

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北九州医療刑務所で摂食障害のある女性受刑者が収容されている棟を点検する女性刑務官=北九州市小倉南区で2020年11月4日午後4時36分、飯田憲撮影
北九州医療刑務所で摂食障害のある女性受刑者が収容されている棟を点検する女性刑務官=北九州市小倉南区で2020年11月4日午後4時36分、飯田憲撮影

 女性受刑者の中で拒食や過食などの症状がある「摂食障害」の受刑者が増加傾向にあることが、法務省の調査から見えてきた。再犯防止に取り組む医療刑務所内での治療はどう進められているのか。そして、塀の外での治療や支援の課題は何か。女性特有の精神疾患といわれる摂食障害を取り巻く今を取材した。

面談から集団ミーティング、そして行動療法へ

 2020年10月、記者は北九州医療刑務所(北九州市)の許可を得て、摂食障害の治療を受けている30代の女性受刑者に施設内で話を聞いた。

 女性が最初に拒食症になったのは高校生の時。学校でいじめを受け、食事を取れなくなった。睡眠障害やうつを発症し、学校を1年間休学した。高校卒業後、ヨガインストラクターなどやりたい仕事ができるようになって、体重も少しずつ戻っていった。

 しかし、27歳で結婚してから食べ吐きの症状が出始めた。引き金は夫の家庭内暴力だった。仕事も辞めさせられ、存在を否定され続けた。「負の感情を食事の中に詰めこんで口の中に押し込み、それを吐いてスカッとする」を繰り返した。

 結婚生活は2年で終わった。長女を引き取り、実家で再出発しようとしたが、将来の両親の介護やシングルマザーとして生計を立てられるかが不安になった。衝動的に化粧品を万引きして…

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