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時事ウオッチ

関西の大学で教壇に立つ気鋭の研究者4人が交代で時事問題について執筆します。

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メルケル氏の歩みと今=近藤正基

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 コロナ禍は、政治リーダーの資質がいかに重要かを知らしめた。どこまで感染症専門家の声に耳を傾け、どのように経済とバランスをとるのか。議会をどう説得し、国民にどう説明するのか。各国のリーダーはそれぞれのスタイルで難局にあたっている。

 感染拡大の責任を他国に押し付けようとするリーダーがいる一方で、少なくとも現時点では、メルケル首相のリーダーシップは一定の評価を得ている。自身が物理学者であるので、科学的知見を重んじ、専門家の助言によく耳を傾ける。東ドイツの独裁体制下で育った経験から、市民の行動を制限することの危うさを十分に承知しているので、国民に丁寧に説明し、理解を求める。

 このように、コロナ禍におけるメルケル首相の行動は、彼女の来歴に引き付けて語られてきた。しかし、「東ドイツ出身」や「物理学者」というラベルが注目されるばかりで、来歴そのものはあまり知られていないのではないか。来秋に退陣予定であることも踏まえ、ここで少し紹介しておきたい。

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