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老健施設コロナ感染者に行政が待機指示 施設側は窮状訴え クラスター多発の大阪

大阪府庁周辺=大阪市中央区で、本社ヘリから加古信志撮影

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 新型コロナウイルスの感染拡大で高齢者施設でのクラスター(感染者集団)が多発している。医療体制が逼迫(ひっぱく)する中、重症化リスクの高い高齢者が集団生活する場での感染拡大を抑えることが不可欠だが、「赤信号」が点灯する大阪府では高齢者施設の一つである「介護老人保健施設」(老健)で入所者が感染判明後も施設で待機するよう保健所から指示されるケースが起きている。老健関係者は「クラスター対策に神経をすり減らす中、重い負担を強いられている」と窮状を訴えている。【野口由紀】

 府内では12月23日現在、「第3波」(10月10日以降)で高齢者施設54カ所のクラスターが発生し、1017人の感染が判明。全クラスター感染者2620人のうち38・8%を占める。厚生労働省は6月の事務連絡で、高齢者施設で入所者が感染した場合、重症化リスクが高いため原則入院させると通知。ただし、老健については地域の感染状況や病床の状況によっては入院調整までの一時的な期間、都道府県の指示で入所継続をさせる場合があり得るとしている。老健はリハビリや介護などをする介護保険施設だが、医師や看護師が常駐する施設でもあることが理由だ。

 11月中旬から下旬にかけて利用者と職員の計6人が感染した守口市の老健「はーとぴあ」では、感染した入所者3人のうち90代の女性1人の入院先が決まらず、施設内で3日間待機するように保健所から指示された。保健所からは「病床が空いていない」と説明されたという。女性は検査時は無症状で、その後微熱が出たが、普段通り食事も取れていた。老健では1人目の感染者が確認された後、保健所が認定した濃厚接触者にとどまらず、利用者と職員へのPCR検査を複数回、自主的に実施。感染者や濃厚接触者とそうでない場所を区分けし、職員が交差しないように体制を組んで対応した。施設内待機した女性は入院後に高熱が出て専門の治療を受けた。老健の看護師は「施設内で感染が広がらないか不安だった。老健には医師がいても感染症の専門ではなく、夜間や休日はいない。看護師も少なく、新型コロナを診られるような体制ではない。専門の医療機関にいち早く入院できることをお願いしたい」と訴える。

最長で12日間待機した人も

 8月から9月にかけて集団感染が起きた府内の別の老健では入所者30人が感染。このうち軽症の10人は施設内で待機し続け、入院した20人も感染が判明した日や翌日に入院できたのは10人。最長で12日間待機した人もいた。

 こうした老健での感染者待機事例を受けて「大阪介護老人保健施設協会」は11月10日、吉村洋文知事宛てに速やかな入院措置をとるよう要望書を出し、12月22日にも再度、提出した。協会の木場康文事務局長は「老健は感染症専門機関やコロナ病床確保病院でもない。既往症がある高齢者が入所しており、消毒など感染拡大予防策に神経を擦り減らしている。ただちに入院措置を取ることでクラスターの抑制ができる」と要望する。

 府の担当者は「入院できるように努力し続けるが、人数によっては全員を入れることが難しいことがある。優先度が高い人から順次入院を進めることが基本の方針となっている」と話している。

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