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「民間人」が見た戦地

太平洋戦争では若い女性や少年らが軍に雇われ動員された。軍人とは異なる形で「戦力」に組み込まれた人たちの証言に耳を傾ける。

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「民間人」が見た戦地

/3 元女子防空通信隊員 敵機飛来、増え続け 情報集約、死も覚悟し

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女子防空通信隊の写真を見つめる元隊員の林曠子さん。「人手不足の中、女性もお国のために働くしかなかった」と振り返る=大阪市淀川区で2020年6月22日、桐野耕一撮影
女子防空通信隊の写真を見つめる元隊員の林曠子さん。「人手不足の中、女性もお国のために働くしかなかった」と振り返る=大阪市淀川区で2020年6月22日、桐野耕一撮影

 厚さが1メートル以上あるコンクリートで覆われた地上3階、地下1階の建物。吹き抜けになった室内の壁に設置された巨大な日本地図に、赤いランプが点灯した。その地点から米軍機の目撃情報が入った合図だ。「敵機5機」。ヘッドホンを着けた女性が告げ、目の前にある機器のスイッチを素早く動かす。発見時間や機体の数、高度、飛び去った方角などが情報盤に表示された。「すぐに空襲警報を発令しろ」。将校の声が響いた。

 太平洋戦争中、各地に空襲警報を出すため、東京や大阪などの陸軍司令部に設けられた防空作戦室。飛来する敵機を地上から監視する部隊や、住民の男女ら民間人で組織された「防空監視隊」から情報が集まってくる。電話を受け、情報盤に表示させているのは「女子防空通信隊」の隊員たちだ。

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