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「幽霊消防団員」利用した水増し請求 使い先に慰安旅行、コンパニオン派遣も

個人に支給されるはずの報酬や手当を使った旅行でのコンパニオンの派遣費用などが記載された明細書=12月25日、高橋祐貴撮影(画像の一部を加工しています)

 国や地方から予算を得るために利用される「幽霊消防団員」。毎日新聞のアンケート調査では、活動した団員が報酬をもらえず、消防団傘下の分団や分団長らにお金が渡っている実態も浮かび上がった。「共助の担い手」は襟を正せるのか。【高橋祐貴】

国の通知無視して分団や分団長らに渡る報酬

 264都市の自治体を対象にした今回のアンケート調査では、団員への報酬や手当が、個人ではなく分団や分団長らに渡っていた自治体が4割超の115市に達した。女性団員や分団長などの幹部団員にのみ個人口座に支払ったり、委任状を取ったうえで団員個人の口座を分団が管理したりするケースもあった。

 毎日新聞が2018年に道府県庁所在地の45市を対象に実施した調査では、4割にあたる18市が個人への支給を行っていなかった。今回の調査では、その18市の9割に当たる16市が依然として支給方法を変えていなかった。

 多数の分団が報酬を個人に渡さずに団員旅行や物品購入などに充てている問題は政府も把握しており、消防庁は「報酬や手当は団員個人に支給するもの」とする通知を繰り返し出している。なぜ国の通知を無視するのか聞くと、「消防団からの強い要望」(北海道旭川市や大阪府箕面市)、「事務の簡素化のため」(福島県会津若松市や静岡県藤枝市)などの回答が目立った。一方、改善に動く自治体もあり、千葉県印西市など少なくとも10市は来年度以降、支払い方法を個人口座払いに変更するという。

 団員個人に支給されるべき報酬や手当をプールして何に使っているのか。大半は活動時に使用する手袋や訓練時の弁当代など必要品の購入に使っているとみられるが、毎日新聞の取材に応じた各地の団員によると、研修名目の慰安旅行やコンパニオンの派遣代など、消防活動とは関係ない使途に充てている実態も浮かび上がった。

 「『幽霊団員』を利用した水増し請求は常態化している」。東京都内の消防団に在籍し、出動報告書を作成する会計担当責任者の50代男性はこう明かす。各班から提出される活…

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