がんサバイバーの「病院どう選ぶ?」  元モーレツ社員83歳、大学院で研究中

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自宅の書斎でパソコンに向かう清田政孝さん(画像の一部を加工しています)
自宅の書斎でパソコンに向かう清田政孝さん(画像の一部を加工しています)

 2人に1人ががんになるといわれる現在の日本で、治療を受ける病院をどうやって選ぶのか。どこでも等しくがん治療が受けられるよう、国は一定要件を満たした病院の整備を進めるが、選択のための情報を手に入れるのは難しい。この現状を改善しようと、膵臓(すいぞう)がんを克服した「がんサバイバー」の高齢男性が大学院で2年間、情報提供モデルの研究に取り組んだ。2020年春に学位取得後も大学院に籍を残し、研究を続ける。学びの最前線にいる「83歳」の日常から浮かぶものは――。

 「いやあ、授業を聞いただけでは分からないことも多いんですわ。だからこうして本を買って、自分で勉強してます」。京都市内の閑静な住宅街にある自宅を訪ねると、国際医療福祉大の研究科(東京都港区)に通う清田政孝さんはそう言って、頭をかいた。

 見せてくれたのは、表計算やプレゼンテーションなどのパソコンソフトのガイド本。目下、データのビジュアル化ツールとして評価の高い「Tableau(タブロー)」に夢中だという。新型コロナウイルスの影響下の現在はビデオ会議システムで東京の講義を聴きながら、残りを自己学習に充てる。書斎として使う離れで寝起きし、母屋で過ごすのは食事と入浴の時だけだ。

亡き父も膵臓がん 患者の切実な悩みを研究テーマに

 20年3月、「がん患者に理解しやすい施設別情報提供の仕方」という修士論文で、大学院の学位を取得した。「がんで入院した時、ほかの患者から『どうやって病院を選んだらええか分からん』とよく言われた。病院選びの本もたくさんあるけど、どれを参考にしたらい…

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