「誰にも相談できなかった」 なぜ外国人実習生の赤ちゃん遺棄事件が相次ぐのか

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ベトナム人技能実習生の女性の自宅に置かれた作業道具。女性は周囲から「働き者」とみられていた=熊本県芦北町で2020年12月16日午後3時41分、栗栖由喜撮影
ベトナム人技能実習生の女性の自宅に置かれた作業道具。女性は周囲から「働き者」とみられていた=熊本県芦北町で2020年12月16日午後3時41分、栗栖由喜撮影

 外国人技能実習生の女性が赤ちゃんを遺棄する事件が相次いでいる。熊本県芦北町ではミカン農園で働くベトナム国籍の女性(21)が産んだばかりの双子の遺体を遺棄したとして逮捕され、10日に起訴された。「誰にも相談できなかった」。逮捕後、女性はそう漏らしたという。周囲に「働き者」とみられていた女性は、なぜ妊娠したことを隠さざるを得なかったのか。【栗栖由喜】

 女性が働いていたミカン農園は八代海を望む山の斜面にある。12月中旬、農園を訪れると、海から吹き込む冷たい潮風を受ける木々には、黄色く熟れたミカンがたわわに実っていた。

 起訴状によると、女性は11月15日ごろ、双子の男児を出産し、遺体を段ボール箱に入れて自宅の棚に放置したとされる。県警芦北署によると、妊娠8、9カ月だったとみられ、死産の可能性が高い。

 女性の弁護人の松野信夫弁護士によると、女性は2018年8月に来日。ミカン栽培の仕事で得られる月給約15万円のうち12万~13万円をベトナムの家族に仕送りし、21年8月まで働く予定だった。

 自宅近くでは、女性が毎日真面目に出勤する姿が目撃され、地域の人に「がまだしなー(働き者だねー)」と言われていた。近くに住む男性(76)は「毎朝8時前には家を出て、もう1人の実習生と一緒に自転車で職場に向かっていた」と話した。商店の女性(69)は「野菜や卵、特にもやしをよく買っていた。安いもやしをたくさん買って節約していたのかもしれんね」。実家に仕送りをしていたと聞き、そう思った。「パーカを着ていたから、おなかが大きいと思ったことはない。妊娠には気づかなかった」…

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