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GoToで、お客の緊張感が抜けた… 第3波 スーパー「アキダイ」社長、店頭での危機感

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野菜を並べる食品スーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長=東京都練馬区のアキダイ関町本店で2020年12月16日午後0時17分、丸山博撮影
野菜を並べる食品スーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長=東京都練馬区のアキダイ関町本店で2020年12月16日午後0時17分、丸山博撮影

 この方に見覚えはないだろうか。スーパー「アキダイ」社長、秋葉弘道さん(52)。「野菜価格が高騰した」などのニュースが流れるたびにテレビでよく見かける。特に今年はコロナ禍により、店頭からトイレットペーパーやカップ麺が一時売り切れ、品薄状態になるなど、家計にまつわるニュースが多かった。その秋葉さん、「巣ごもり需要」の高まりで売り上げは伸びたが、従業員の確保や感染予防対策に忙殺され、「医療崩壊」ならぬ「スーパー崩壊」を覚悟したという。スーパーは社会のインフラだ。現在のコロナ第3波をどう受け止めているのかを聞いた。【待鳥航志/統合デジタル取材センター】

「ムチでたたかれながら走るような日々」

 ――12月12日の発表では新規感染者の数が初めて全国で3000人を超え、「第3波」と呼ばれる状況に直面しています。どんな年末年始になりそうですか。

 ◆正直、無事に年末年始を乗り切れるか不安です。例年、12月30日がスーパーの1年で最も忙しい日です。おせち料理などに使う野菜は28、29日ごろからよく売れ、ぎりぎりの31日は肉・魚が特に売れます。

 ただ今年は年末年始に海外旅行する人はまずいないし、GoToトラベルも一時停止になりました。「巣ごもり需要」は確実に増えるでしょう。実際、「のし餅」の予約は増え、鏡餅などのお正月商品が例年より2~3割増のペースで売れています。自宅で過ごすと決めた人たちが多いのだと思います。ということは、巣ごもり需要と例年と同じ年末の状況が重なり、爆発的な忙しさになると見込まれます。感染対策を考えつつ、従業員の確保を非常に真剣に考えないといけないところです。

 ――そうでしたか。それにしても今年はよくテレビ番組などでお見掛けした気がします。今年はコロナ禍の影響で、メディアの取材が多かったのではないでしょうか。

 ◆確かに、途切れなく取材が続いた1年でした。例年より50件ほど多い300件近くを受け、多いときでは1日に4回にもなりました。緊急事態宣言が出されていた4月は多くの方々が自宅で多くの時間を過ごしたためか、数えると65件もありました。あるテレビ局からは「3時間後に中継するから出演してください」という、ややむちゃぶりもありました。ただ取材を断らないのは、もともと私が目立ちたがりという理由だけではありません(笑い)。この国を支えている庶民の生活が今どんな状況かをきちんと伝えたい、という気持ちが強いからなのです。

 ――そうだったんですね。あの頃、街は閑散としていても社会インフラであるスーパーには人が集中していました。

 ◆特に4月は、毎日が年末の超繁忙期のような忙しさでした。当時「人との接触を8割減らす」と掲げられていましたが、東京都練馬区の店(関町本店)では多い日で2300人が来店され、これは普段の約1・5倍でした。どんなに忙しくても地域の食を支えなければなりません。ムチでたたかれながら走り続けるような日々でした。

「クラスターを出してはならない」と徹底

 ――店内のコロナ対策は相当気を使ったのでしょうね。

 ◆ええ、そりゃあもう。クラスター(感染者集団)を発生させず、お客さんや従業員の安全を確保しないといけません。1月末ごろから従業員全員にマスク着用を徹底し、来店客一人一人の手に消毒液をシュッシュとかけました。人だかりを避けるため、毎週末の特売や試食はやめ、入場制限をして。レジに透明のパーティションを設置し、店舗によっては無人レジも導入しました。お客様に少しでも「やっていない」と思われてはいけないので、やりすぎるくらいに徹底しました。

 それでもトラブルはありました。…

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