見上げるほど大きなカンバスに、ルドンは両腕で抱えられるほどの花束を画面いっぱいに描いた。縦約2・5メートル、横約1・6メートル。うす暗い展示室で、その大きな花束はまるで発光しているよう。花瓶と花という静物を描いているにもかかわらず、花々は舞い上がり、落下し、うずまき、画面はエネルギーに満ちている。下方に引かれた水平線によって花瓶は水面に浮いているようにも見える。
画面の右側は、雲の切れ間から青空がのぞいたかのように明るく、咲き誇る花々は鮮やか。一方、左側は寒色が目立ち、黒く朽ち果てたものはルドンが繰り返し描いた奇想の生き物にも見える。生命の躍動から終わりまでが一つの画面に描き込まれ、見る人を引き込んでいく。
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