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社説

慰安婦合意から5年 生かせなかった外交成果

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 慰安婦問題の解決を図る日韓両国の合意から5年となった。未来志向の関係の再構築が狙いだったが、現状は期待された姿にはほど遠い。

 合意は、両国の歩み寄りのたまものだった。日本が慰安婦問題での責任を認め、元慰安婦の支援事業に政府予算から10億円拠出するというのが柱だ。

 法的責任に固執する韓国と、道義的責任にとどめたい日本の長年の対立を、単に「責任」とすることで折り合った。日本政府の予算を使うのは公的な意味合いを強めるためだ。

 両国は「最終的かつ不可逆的な解決」であることも確認した。

 韓国は、ソウルの日本大使館前に建つ少女像の問題について「適切な解決」へ向けて努力すると表明した。

 米国から関係改善を強く求められたことが当時の安倍晋三、朴槿恵(パククネ)両政権の背中を押した面もある。両国が初めて慰安婦問題での政府間合意をまとめた意義は大きかった。

 存命だった元慰安婦47人の7割超が、合意に基づいて設立された財団の事業を受け入れた。時間切れとなる前に支援を届けられたのは、せめてもの救いである。

 残念なのは、韓国世論の反発を朴氏が鎮められなかったことだ。元慰安婦におわびの手紙を出すことを「毛頭考えていない」と述べた安倍氏の国会答弁が、韓国側を不必要に刺激したこともあった。

 文在寅(ムンジェイン)政権は合意に対して否定的だ。日本に再交渉を求めたり、破棄したりはしないが、合意では解決になっていないと主張する。財団の解散にも踏み切った。

 そうした態度は合意の骨抜きを図るものだ。正式な合意をしても韓国の内政事情でほごにされるのかという徒労感を日本側に抱かせることにもなった。それが徴用工問題にも悪影響を及ぼしている。

 だが近隣外交の重要性が変わるわけではない。韓国は、安全保障と経済の両面で欠くことのできない対等なパートナーである。

 一方で、日本による植民地支配という負の歴史が投げ掛ける影は今も残る。貴重な外交成果を生かせなかった慰安婦合意の教訓にきちんと向き合い、今後の日本外交を考える材料とすべきだ。

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