2025年、大阪・関西万博が開催される。今回のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。その中でもこのテーマの事業プロデューサーに任命されたのは、私を含む8人の各界で活動する人々である。私の担当は「いのちを守る」だ。いのちを守ると一言で言っても、なかなか難しい。イメージするのは、医療などが中心であり、戦争やテロでの防御もそれにあたる。しかし、そもそもいのちを守るという時、自分だけのそれを守るというだけでは成立しない。私の中のあなたを知るということが、結果的に私が守られる形になるのだ。つまり、相手の中に自分を発見することで分断は起きない。分断は自らの心に境界を作ることで、他者を受け入れられなくなることの表れだからだ。
さて、この度の会場には、「静けさの森」と題した場所が各事業プロデューサーのパビリオン近くに存在する。このアイデアは会場デザインプロデューサーの建築家、藤本壮介さんのものだ。7月に就任の会見で初めて言葉を交わし、その後ことあるごとに親交を深めてきた。夢洲(ゆめしま)の会場に一緒に足を運んだり、森の中にあるカフェでランチをしたり、若草山に登って俯瞰(ふかん)で奈良の街並みを眺めたりしながら、そこにあ…
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