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「財研」記者日記

予算案の編成過程を財務省内にある記者クラブ「財政研究会」の担当記者が、「そもそも」や舞台裏をリポート。

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(5)いよいよ予算案決定 「最強官庁」のはずが……防戦一方の財務官僚

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予算案の編成作業が一区切りついた財務省=東京都千代田区で2020年12月23日午後4時20分、和田憲二撮影
予算案の編成作業が一区切りついた財務省=東京都千代田区で2020年12月23日午後4時20分、和田憲二撮影

 2021年度政府予算案が21日に閣議決定された。新型コロナウイルスの感染拡大という異例の状況下ではあったが、歳出は3年連続で100兆円を超え、借金頼みは一層強まった。毎日新聞でも肥大化した予算案を厳しく批判した。

 予算編成作業を終えた今、財務省主計局のフロアは静けさを取り戻し、省内のコンビニエンスストアでは入荷するたびすぐ売り切れた栄養ドリンクが一日中、棚に並んでいる。年の瀬を迎えた財研(財務省内の記者クラブ)で記事のスクラップをめくりながら、予算を追い続けた日々を思い返した。

追い込まれる財務官僚

 「『忙しい』と言うのは好きじゃないけど、マジで忙しい。追い込まれている」。11月中旬、やっと1対1でじっくり話を聞く機会を得た主計官の1人に「戦況」を尋ねると、こう言って深くため息をついた。20年度第3次補正予算案と合わせた「15カ月予算」の編成作業が本格化していた。

 この主計官の口癖は「将来世代を守る」。膨大な借金を次世代に引き継ぐのは「現世代の怠慢」と自戒し、常に財政規律を主張する、財務官僚を絵に描いたような人だ。予算拡大をもくろむ与党の幹部会議で「あなたに同席されると自由な議論ができない」と追い払われたこともあるらしい。そんな主計官が追い込まれたのは、…

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