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東日本大震災10年へ

東日本大震災は2021年3月で発生から丸10年の節目を迎える。

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東日本大震災10年へ

続・沿岸南行記/11 石巻市・鮎川浜から仙台市・荒浜へ 月命日の祈り、ずっと

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慰霊碑と慰霊塔の前で手を合わせる大学敏彦さん=仙台市若林区荒浜で11日
慰霊碑と慰霊塔の前で手を合わせる大学敏彦さん=仙台市若林区荒浜で11日

 東日本大震災では、仙台平野に10メートルの大津波が押し寄せた。それを教訓に、津波より高く築かれた「避難の丘」が仙台市若林区荒浜にある。丘の上に立つと、眼下に更地が広がり、旧荒浜小学校の校舎と観光果樹園のビニールハウスが見えるばかりだ。荒浜は災害危険区域に指定され、今は人が住むことはできない。真新しい墓地が、かつて800世帯が暮らす住宅街があったことを伝える。

 ここで命を落とした人は約190人に上る。震災から1カ月がたった2011年4月、先輩記者が荒浜から10キロほど離れたJR仙台駅のベンチにいると、白髪交じりの男性が「カメラマンか?」「荒浜はどうだ?」と話しかけてきた。男性は津波で妻を失って悲嘆に暮れ、駅や公園を転々としながら路上生活を送っていると身の上話をしてくれた。だが、名前だけは最後まで明かさなかった。

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