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コロナ下でホームレスは… 「消えてしまいたい」社会の危うさ浮き彫りに

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コロナ災害を乗り越える「12.19なんでも相談会」。52人が相談に訪れた=東京都千代田区の日比谷公園で2020年12月19日午後4時7分、丸山博撮影
コロナ災害を乗り越える「12.19なんでも相談会」。52人が相談に訪れた=東京都千代田区の日比谷公園で2020年12月19日午後4時7分、丸山博撮影

 新型コロナウイルス感染拡大で揺れた2020年。経済的に困窮する人が大幅に増え、ホームレス生活となり、野宿したりネットカフェで暮らしたりする人たちが増えた。冷え込む師走の東京で、声を集めた。【丸山博/統合デジタル取材センター】

 12月19日、東京・日比谷公園で、新型コロナの影響で困窮する人たちを支援する「コロナ災害乗り越える『なんでも相談会』」が開かれた。訪れたのは52人。年齢では50代以上の男性が多いが、中には30代など若い人もいた。女性は11人いた。

ネットカフェと路上生活繰り返す

 相談会の会場で、派遣社員の69歳の男性に声をかけてみた。普段は都内または埼玉県内の1泊二千数百円のネットカフェで寝泊まりし、時々野宿をするという。

 普段の仕事は、個人宅の引っ越しや事務所移転作業など。「NHKの紅白歌合戦の会場設営もしたことがある」と話す際は、少し誇らしげだった。「今年はコロナで仕事が減りました。年末を路上で過ごしたことは何度もありましたが、今年ほど大変な年はなかったです」。大きくうなずきながら語った。

 相談会で窮状を訴えると、生活保護の申請をするように助言されたという。男性は「働けるうちは受け取らないでいようと思ってきたが、さすがにもう限界です」と本音をもらした。

 翌週、男性に電話取材してみると、指示通りに生活保護を申請して、回答を待っている状態という。「幸運にも年末は仕事があり、神奈川県に出張して宿に泊まっています。これで年明けまでは安心できます」。電話越しに明るい声が返ってきたので、私も少しほっとした。奥からパチンコ店のけたたましい音が聞こえた。

 男性が寝泊まりすることが多いという東京・浅草のネットカフェを訪ねてみた。同じビルにはストリップ劇場も入っている。

 午後7時、入り口近くで待っていると、裸足にサンダル履きの50代とみられる男性が入ってきた。「12時間で」。慣れた様子でチェックインし、部屋に向かった。廊下には、シャワーを浴びた直後とみられる30代ぐらいの男性の姿もあった。ジャージー姿で、まだ髪がぬれていた。

 店員によると、1週間前払いのプラン(1万3900円)を利用する人が多く、延長を繰り返して長期滞在する人もいる。年末年始は予約でほぼ満室という。受付で取材を申し込むと、本社の許可が必要とのことで、電話で取材を申し込んだが、担当者からの返事はなかった。

工場ストップ、空き缶拾いの収入減

 ネットカフェから観光客でにぎわう浅草寺を抜けて15分ほど歩き、隅田川沿いにある隅田公園に行ってみた。ホームレスらしき人を数人見かけた。

 大量の空き缶を手でつぶして袋に詰めていた男性がいたので声をかけた。現在74歳で、「東京に来て3年」という。

 「コロナの影響でホームレスが増えたかって? いや、増えたという感じはないですよ。ここではね」

 公園では10人ほどの人が野宿しているが、ずっといる人たちばかりだという。「ここに縄張りがあるわけじゃないけど、若い人だったら少しは仕事があるだろうから、すぐには来ないんじゃないですかね。ネットカフェとか行けそうだし、生活保護を受けている人もいるでしょう」

 男性はいったん話をやめ、タバコに火をつけた。よく見ると、黒ずんだ左手の薬指に銀色の指輪が光っていた。子どもが4人いて、みんな結婚したという。

 「私はこの仕事をやっているから、生活保護はまだ受けたくないです。以前に受けたことはあったんですけど、やっぱり働けるうちはね。これで1000円ぐらいかな」と空き缶の山を見つめた。「月に1、2回は(ネットカフェで)DVDも見ます。映…

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