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売り上げゼロ、配達で転倒…それでも「酒場は文化」 年の瀬の歌舞伎町を歩く

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「くればわかる」の外に出ると、通りはガラガラだった=東京・新宿ゴールデン街で2020年12月28日、大迫麻記子撮影
「くればわかる」の外に出ると、通りはガラガラだった=東京・新宿ゴールデン街で2020年12月28日、大迫麻記子撮影

 書き入れ時の師走だというのに。新型コロナウイルス感染第3波の下、歓楽街では閑古鳥が鳴き、冷たい風ばかりが吹きすさぶ。小池百合子・東京都知事から「夜の街」と名指しされた東京・新宿歌舞伎町の逆風はひとしおである。感染防止の観点から大勢での酒食を控えるのはやむをえないとはいえ、休業や営業短縮を強いられる店主たちにとっては「死活問題」。どんな思いで年越しを迎え、乗り越えようとしているのか。取材した。【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】

書き入れ時に時短が直撃 店主「30年で最悪」

 12月の夜、新宿ゴールデン街に記者は立った。平日の夜7時だというのに、通りを歩く人はまばらだ。つい1カ月ぐらい前まで、街はにぎわいを取り戻しつつあった。戸惑いを感じつつ、細い通り沿いに看板を掲げる小料理屋「くればわかる」ののれんをくぐると、いかにも肝っ玉母さんという風情の店主、宇畑(ひろはた)智由美さん(72)が「いらっしゃい」と招き入れてくれた。

 カウンターのみ10席のこぢんまりとしたお店。常連客らしき男女4人が、隅の方で杯を傾けている。フェースシールドを付けて接客にあたっていた宇畑さんに「お客さんいますね」と声をかけると、「いつもなら、3回転も4回転もしてくれる時期なんだけどね」と苦笑いを浮かべた。

 奄美大島出身の宇畑さんが1990年に開店した「くればわかる」は郷土料理が人気で、年末のような繁忙期ともなればカウンターはいつも満席だった。だが、今年の売り上げは店が始まって以来、最悪だという。新型コロナの感染拡大による国の緊急事態宣言で、春に長期間休業。その間、小池都知事は記者会見で「新宿周辺の繁華街」を名指しして、外出を控えるよう促した。

 「あの発言で、ゴールデン街はゴーストタウンになっちゃった。『夜の店』に気をつけるように言うのはしかたない。でもリスクはどこも同じなのに、なぜ歌舞伎町だけ名指しする必要があるんですか」。宇畑さんは、売り上げを記したメモを見せてくれた。…

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