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こころの天気図

いつもの酒に潜む怖さ=東京大教授、精神科医 佐々木司

 いつもは全く酒を飲まないのだが、ある晩ビールを1缶飲んで以来、夜になると何となく落ち着かない。酒を飲むとそれが治まるという日がしばらく続いた。わずかな量だが、間違いなくアルコールへの依存作用による現象である。普段飲んでなくても、少し飲み始めるとやめにくい。アルコール依存の怖さを自ら体験した。

 精神科では、飲酒による問題を抱えている人に出会うことは珍しくない。不眠で受診する人の中にもいる。ささいなきっかけで毎晩酒を飲むようになり、以来、夜中に目が覚めて眠れないことが増えたといった例である。これはアルコールのもつ催眠作用が夜中に切れ、その反動で眠れなくなるのである。中年以上の、脳の「眠る力」が弱くなった世代にはよく見られる。

 酒への依存というと、昔は男性の問題と考えられがちだったが、このごろは女性でも多い。気分の落ち込みと体のだるさを訴えて受診したある女性は、毎晩ビールを1リットルも2リットルも飲んでいて、量を半減させたら「気分も体調も随分良くなった」と驚いていた。ただ実際に酒量を減らすのはとても難しく、油断するとすぐに元に戻ってしまう。大変厄介だ。もちろんこれは、あらゆる酒類に共通した問題である。

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