百貨店などで宝飾時計や絵画などの高額商品の販売が好調だ。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気悪化で個人消費の冷え込みが懸念されているが、1本1000万円を超える時計の販売が伸びる店舗もある。コロナ禍の消費に何が起きているのか。
「高額な時計を選ぶお客が増えた」。クリスマス商戦ピークの12月下旬、福岡市の宝飾時計店「ジェムキャッスルゆきざき」では、数組の客が時計を品定めしていた。全国に16店を展開しており、緊急事態宣言を受けての臨時休業から営業を再開した5月中旬、各店で売り上げが3割程度急増。その後も多くの店で売り上げは前年同月を上回り続けているという。
富裕層に200万~300万円の時計が人気なのに加え、2019年までは全店で月に数本程度だった1本1000万円以上の時計の売れ行きが、コロナ禍の今、毎日どこかの店舗で売れるようになった。柚木崎政和社長は「時計や宝石を買うのは楽しいこと。コロナ禍で楽しみが減る中、富裕層の消費の受け皿になっている」と話す。
百貨店の業績回復をけん引しているのも宝飾時計や絵画だ。日本百貨店協会のまとめでは、11月の全国の売り上げ実績は前年同月の85・7%まで回復。コロナの感染拡大により地域別の回復状況はまちまちだが、前年同月の9割に達した地区もある。現代アートなどの絵画や高級時計の売れ行きが好調だという岩田屋三越(福岡市)は「昨年まで売り上げの6~7%を占めていた訪日客がいないことを考えれば、日本人の消費はほぼ前年並みだ」(幹部)と胸を張る。
なぜ、コロナ禍で財布のひもが緩くなったのか。…
この記事は有料記事です。
残り877文字(全文1575文字)
毎時01分更新
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり」需要の高まり…
3月で東日本大震災の発生から10年になる。仙台市出身のお笑…
新型コロナウイルスの急速な感染拡大で各地の病床が足りなくな…