連載

コロナ禍に負けない

地元で産声を上げ、地元から離れず、地元の人々に愛される会社がある。広島県内に本社を置く創業100年以上の企業を紹介する。

連載一覧

コロナ禍に負けない

100年企業に学ぶ 安芸・備後/1 発酵法考案で近代化 尾道造酢 /広島

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
巨大なかめについて説明する田中丸善要さん=尾道市久保1の尾道造酢で2020年11月30日午後3時18分、渕脇直樹撮影
巨大なかめについて説明する田中丸善要さん=尾道市久保1の尾道造酢で2020年11月30日午後3時18分、渕脇直樹撮影

尾道造酢 1582年創業=尾道市久保1

 「年代は不明ですが、100年以上昔のものです」

 尾道造酢執行役員の田中丸善要さん(42)は背丈を超える巨大なかめを説明する。高さ2メートル、最大直径1・5メートル。仕込み用として現役最古という。

 創業は1582(天正10)年。明智光秀が織田信長を滅ぼした本能寺の変が起きた年だ。朝鮮半島から渡来してきた職人を大阪から招いて始まったとされる。「橋本酢」の看板を掲げた創業者の橋本家は尾道きっての豪商で知られ、石見銀山から産出される銀精錬用の灰の取引で財をなした。造酢業はその資本が元手となった。

 尾道の造酢業は温暖な気候と良質な水を背景に発展した。北前船が運ぶ秋田米を原料に、18世紀初頭には名産酢としての地位を確立し、大正期には9軒を数えた。やがて衰退の一途をたどり、生き残りをかけて橋本酢など5軒が1918(大正7)年に合併。現在の尾道造酢が誕生した。

この記事は有料記事です。

残り463文字(全文860文字)

あわせて読みたい

注目の特集