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南米ベネズエラのマドゥロ政権が2018年に発行を始めた仮想通貨(暗号資産)「ペトロ」の取引が低迷している。マドゥロ政権は「国家が管理する世界初の仮想通貨」とアピールして資金調達を狙ったが、深刻な経済危機を招いた政権への不信感は根強く、金融界や一般国民からはほとんど利用されていない状況だ。
「ここはペトロを受け付けていません」。20年12月上旬、歳末の買い物客でにぎわう首都カラカスのショッピングセンター。ペトロで支払える店があるか尋ねると男性スタッフがこう答えた。一方、米ドルや代表的な仮想通貨の「ビットコイン」、ドル建てのデジタル決済などは利用可能という。「このあたりでペトロを使える店舗ですか? 聞いたことないですね」。スタッフはそう話した。
ベネズエラでは13年に発足した反米左派のマドゥロ政権下でインフレが加速。通貨ボリバルは紙くず同然となり、デフォルト(債務不履行)状態に陥っている。独裁色の強いマドゥロ政権の正統性を認めていない米国が17年に金融制裁を科すと、政権は資金を募るため18年2月からペトロを発行。マドゥロ大統領は「経済・社会的発展のため、新しい形の国際金融に向かうだろう」と危機脱却への意気込みを語った。世界最大の埋蔵量を…
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