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中国の初動遅れ「統治力の弱さを象徴」歴史学者が分析する強硬姿勢の背景

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コロナ禍と中国について語る岡本隆司・京都府立大教授=京都市左京区で2020年12月21日、山崎一輝撮影
コロナ禍と中国について語る岡本隆司・京都府立大教授=京都市左京区で2020年12月21日、山崎一輝撮影

 新型コロナウイルスが依然、世界で猛威を振るう中、中国はいち早く封じ込めに成功したが、その強気の外交姿勢などは各国との間であつれきを生んでいる。この中国の姿勢について、京都府立大学の岡本隆司教授に歴史的な視点から語ってもらった。【聞き手・岡崎英遠】

京都府立大・岡本隆司教授

 ――コロナを巡る中国の対応をどのように見ていますか。

 ◆中国は各国から初動対応の遅れや隠蔽(いんぺい)体質を激しく批判されたが、これは中国特有の統治力の弱さが表れた象徴的な事例だと言えるだろう。我々は、中国は一党独裁で社会を思うがままに支配していると考えがちだが、むしろ民衆に言うことを聞かせられないため、力ずく、強制的にならざるを得ない。この民衆に対する統治力の弱さは15、16世紀以降から続くこの国の特徴でもある。

 日本政府は、コロナ対応で国民に「お願い」ばかりしている。中国だったら「お願い」など誰も聞かないだろうが、日本人は従う。つまり日本政府にとって日本人は非常に統治しやすい民衆ということになる。我々が民主主義と呼んでいるような国々は程度の差はあれ、統治しやすいのに対し、強権的あるいは権威主義的とされる国々は概して統治しにくい。それぞれの典型が日本と中国とも言える。

 ――コロナは民主主義や権威主義といった政治体制の違いを鮮明にしました。その中でも中国はコロナの封じ込めに成功しましたが、何か大きな変化があったのでしょうか。

 ◆中国は近年の著しい発展で大国化したこともあり、表面的には大きく変貌しているように見えるが、…

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