子どもの頃、父と手をつないで通った映画館が私の原点です。
早くに母を亡くし、裕福とはいえない暮らしで、家にはテレビもなかった。水戸のはずれに住んでいたその当時、映画館では1本だけ半額料金で見せてくれることがあり、父も寂しさを紛らわすためだったんでしょうか、末っ子の私をよく連れて行ってくれた。暗闇の中、スクリーンには日常の延長ではない別世界があって、あの向こう側に行きたい、と思ってしまったんですね。
高校卒業後、つても何もない東京に出てきて、大変な時期もありましたが、この年になると自分の原点というものをどうしても考えます。根っこには、田舎で土をいじりながら生きてきた暮らしがありますし、都会人になんてなれない。そういう表現をしていきたい、と思っています。役作り、といったって、まったくの別人になんかなれるわけがないんですから。【聞き手・井田純】
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