大学生が国に提言「日本にもっと『孤独対策』を」 原動力は死も考えた過去の自分

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NPO「あなたのいばしょ」の事務所でパソコンに向かう大空幸星さん=東京都港区で2020年6月24日午後3時25分、宇多川はるか撮影
NPO「あなたのいばしょ」の事務所でパソコンに向かう大空幸星さん=東京都港区で2020年6月24日午後3時25分、宇多川はるか撮影

 若者の自殺が深刻だ。厚生労働省が昨秋発表した「自殺対策白書」によると、自殺者数はほぼ全ての年代で下降傾向にある中、20歳未満はむしろ上昇している。「日本にもっと『孤独対策』を」――。そんな現状を前に、こう訴え続けている大学生がいる。ネット上のチャット相談窓口を作った大空幸星(こうき)さん(22)。無数の相談に向き合いながら、国に「孤独対策」を提言する活動を始めた。原動力は過去の自分。どこにも居場所がなく、死も考えた過去の自分だ。【宇多川はるか/統合デジタル取材センター】

チャット相談窓口に届く悲鳴

 「今駅のホームに立っています」「母がいないところで父からレイプされている」「居場所がなく援助交際した」「死にたい」――。

 大空さんが代表を務めるNPO「あなたのいばしょ」には、孤独と死が隣り合わせの相談が日々寄せられる。相談に応じる「カウンセラー」はいずれもボランティアで、約800人。気持ちをくみ取る「傾聴」が基本だ。ただ、生命の危険に緊急性がある場合は、警察や行政とも連携する。

 「『望まない孤独』の根絶」「24時間365日、誰でも無料・匿名で利用できる」。そう銘打ち、昨年3月に窓口を開設して以来、件数は増加の一途をたどる。11月末までの受信メッセージ数は約30万件、相談件数は約2万6000件に上った。

 年代別にみると10代と20代が最も多く、約8割を占める。2020年は著名人の自殺報道も続き、報道があった当日や翌日は特に相談が急増した。

「孤独対策」を訴えるのは

 「生きていくことができない」。大空さん自身、そう思い詰めた体験がある。

 愛媛県出身。小さい頃から家庭内トラブルが絶えず、家に居場所がなかった。両親の離婚は複数回、名字はそのたびに変わっている。精神的に追い詰められ、小学生の時にはご飯も水も喉を通らなくなって入院したこともある。不登校も経験した。

 高…

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