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第100回全国高校ラグビー

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花園で初の頂点目指す京都成章 「ピラニアタックル」の極意と誕生の理由

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相手選手に次々とタックルを仕掛ける京都成章の選手たち=東大阪市花園ラグビー場で2021年1月1日、藤井達也撮影
相手選手に次々とタックルを仕掛ける京都成章の選手たち=東大阪市花園ラグビー場で2021年1月1日、藤井達也撮影

 第100回全国高校ラグビー大会(毎日新聞社など主催)で、京都成章は5日に行われた東福岡(福岡第1)との準決勝に24―21で勝利し、初の決勝進出を決めた。組織的な防御を強みとするチームの代名詞が、対戦相手を恐れさせる「ピラニアタックル」だ。

 ボールを持った「獲物」を見つけると、複数の選手が群がるように素早くタックルを仕掛け、一度食らいついたら、なかなか離れない。熱帯地方に生息する肉食の淡水魚「ピラニア」になぞらえ、そう呼ばれている。30年以上チームを率いる湯浅泰正監督が考案した必殺のスタイルは、元々は「弱者の戦法」として生まれたものだった。

数学の公式からヒント 最短距離のタックル

 湯浅監督が就任した1980年代後半から90年代にかけて、京都のラグビー界は群雄割拠の時代だった。第60回大会(80年度)で初優勝した伏見工(現京都工学院)を筆頭に、準優勝3回の花園、古豪の同志社や洛北など、強豪がひしめいていた。中学年代でもラグビーが盛んな京都だが、地元の有力選手は他校に流れたという。

 「うちに来てくれるのは中学の時に試合に出られなかったような選手ばかりだった」と湯浅監督。個々の力の差を埋めるには、どうすべきか。導き出した答えは、ディフェンスの強化だった。アタックは走力やセンス、経験など個々の能力による面が多いが、「タックル」の一点に絞って極めれば、強豪にも対抗できると考えた。

 体が小さい選手が多く、フィジカルを生かした力強いタックルはできない。小さな選手が大きな選手を倒すには、「低く、速い」タックルで束になって立ち向かうしかない。1回で倒れなくても、間髪入れずに次々に襲いかかれば、大きな「獲物」だって仕留められるはずだ。この考えから生まれたのが「ピラニアタックル」だった。

 「ピラニアタックル」を説明する上で、欠かせない数学の公式がある。古代ギリシャの数学者・ピタゴラスが証明した「三平方の定理」だ。直角三角形の3辺…

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