毎日新聞
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政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、7日に緊急事態宣言の再発令を決定する。これに合わせて、対象となる東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県での大規模イベントの人数制限を再び強化する方針を固めた。1都3県では人数制限の上限を「5000人」に戻しているが、さらに上限を引き下げることも検討し、収容率100%まで入場を認めている映画館やコンサートの制限再強化も検討している。
大規模イベントの人数制限を巡り、政府は昨年5月の緊急事態宣言の全面解除後、屋内施設は「収容率50%以内」、屋外施設は十分な間隔を取ることを条件に、人数の上限を段階的に緩和。当初は屋内100人、屋外200人だったが、6月にはいずれも1000人、7月からは5000人を上限としていた。感染拡大が落ち着いた9月には5000人の上限も撤廃し、プロ野球などでは1万人を超えるイベント開催も可能となっていた。
しかし、その後感染が再び広がり、12月下旬以降、上限を5000人に戻している。政府関係者は「1000人や2000人にするかも検討している」と説明。既に販売したチケットなどのキャンセルは求めず、新規販売分を対象とする方針だ。
緊急事態宣言に関しては、菅義偉首相が5日の自民党役員会で「7日に(専門家による)基本的対処方針等諮問委員会にかけ、方向性を出してほしいと思っている」と述べた。諮問委で緊急事態の要件に該当すると評価されれば、同日中に衆参両院の議院運営委員会で事前説明した上で、政府対策本部で発令を正式決定する。効力が発生するのは、官報で公示される7日夜か8日になるとみられる。
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は5日夜の記者会見で分科会の提言を発表した。1都3県の感染状況は4段階で最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」にあり、宣言を発令する時期に至ったと表明した。政府は宣言の期間は1カ月程度と想定するが、尾身氏は感染状況を改善するには「1カ月では至難の業だ」と述べ、感染が収まらなければ延長の可能性がある。
発令を受け、1都3県の知事は既に合意した内容に基づき、8日から午後8時以降の不要不急の外出自粛や、飲食店やカラオケ店に絞って閉店時間の午後8時への前倒しを要請する。学校への休校要請、映画館や博物館などへの休業要請は行わない方針だ。
水際対策を巡っては、政府は緊急事態宣言を再発令するのに合わせて1カ月程度、外国人の新規入国を原則停止する方針を固めた。現在認めている中国や韓国など11カ国・地域のビジネス関係者らの短期滞在と長期滞在(ビジネス往来)を一時停止する方向だ。一方、外国から帰国する日本人と同様に、在留資格を持つ外国人の再入国は継続を検討している。
政府は昨年12月28日、感染力が強い新型コロナウイルスの変異株の感染拡大などを理由に、全ての国・地域からの外国人の新規入国を停止した。しかし、中韓両国やベトナム、台湾など一部の国・地域との水際緩和で経済回復を目指すビジネス往来は例外として続けており、自民党などから批判が出ていた。
菅義偉首相は4日の記者会見で「ビジネストラックについても変異株が発見された際には、(入国を)即時停止する」と述べていたが、変異株の発見の有無にかかわらず、入国を原則停止する。
11日まで全国一斉に停止している旅行需要喚起策「GoToトラベル」は、12日以降も停止を継続する見通しだ。【竹地広憲、田所柳子、原田啓之】
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