2021年3月11日で東日本大震災の発生から10年となります。各界で活躍する被災地ゆかりの方々に東北の地や震災発生当時の思い出、被災地に送るエールなどを聞くシリーズ「メッセージ~東日本大震災10年」。今回は、約7年前に宮城県気仙沼市にカフェをオープンさせた俳優の渡辺謙さん(61)です。被災地に「灯をともしたかった」という渡辺さん。なぜ、カフェを開店させるという“支援のカタチ”を選んだのでしょうか――。【聞き手・構成 深津誠】
13年、気仙沼市中心部の内湾(ないわん)地区にカフェ「K―port」を開きました。店名の「K」は気仙沼や自分の名前のイニシャルなどから。「port(英語で「港」の意味)」には、地域の皆さんの精神的な港にしたいという思いを込めました。
気仙沼の友達から「(震災の津波で)人が集まる場所が全部なくなった」という悩みを聞き、じゃあカフェをやろうと。現地の人たちと「イベントやライブもできる場所にしたいね」とキャッチボールしながら店を作りました。
継続的に関わるため、良い意味で「来ざるを得ない状況」を設け、活動の拠点にしました。日本にいる時は月1回訪れ、海外に長期で行く前にも赴きます。カフェにいない時は毎日ファクスで手書きメッセージを送ります。メニューのレシピも僕が作っています。
カフェの対岸に、内湾地区で震災後最初に営業を再開した居酒屋「福よし」があります。全部が真っ暗な時にこの店の明かりが戻ったのを見て、負けていられないなと。それでカフェを開いたんです。…
この記事は有料記事です。
残り1689文字(全文2334文字)
毎時01分更新
3月で東日本大震災の発生から10年になる。仙台市出身のお笑…
新型コロナウイルスの感染拡大に収束の兆しが見えない中、今年…
新型コロナウイルスの急速な感染拡大で各地の病床が足りなくな…