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トップに聞く 新学部を4月に開設 神田外語大・宮内孝久学長

みやうち・たかひさ 1950(昭和25)年、東京都目黒区生まれ。75年、早稲田大法学部卒業後、三菱商事に入社。サウジアラビア駐在、メキシコの合弁企業出向などを経て、2013年、三菱商事代表取締役副社長に就任。16年、神田外語大特任教授、18年、学長に就任。

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グローバル・リベラルアーツ学部を新設 平和構築へ教養育む

 神田外語大学(千葉市美浜区)が2021年春、グローバル・リベラルアーツ(GLA)学部を開設する。既存の外国語学部と2学部体制となる。GLA学部での教育はどういうものなのか。宮内孝久学長に聞いた。【中根正義】

 ――21年春に、新たな学部としてGLA学部が開設されます。

 本学は1987年、「言葉は世界をつなぐ平和の礎」を建学の理念に開学しました。英米語にとどまらず、スペイン語、ブラジル・ポルトガル語、中国語に加え、インドネシア語、ベトナム語、タイ語といった語学を実践的に学べる環境を整え、グローバルに活躍する人材を輩出してきました。

 近年、社会の多様化、グローバル化が一層進む中で、地球温暖化や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)といった地球規模の課題が大きく取り上げられるようになっています。そうした未知の課題に対応できる人材の育成が求められており、これまで30年以上にわたって培ってきた教育方法や知見の蓄積を生かし、新たな学部を開設します。

 ――外国語学部とは、何が異なるのでしょうか。

 新学部のコンセプトは、建学の理念を具現化するための「平和のためのグローバル教養」です。定員60人の少人数教育で高度な言語運用能力と、広く深い教養に裏打ちされた人材の育成を目指します。

 キーワードは平和構築です。グループワークを取り入れたアクティブラーニング型の授業で「社会と多様性」「現代社会とイノベーション」「宗教文化論」といった内容を能動的に学んでもらいます。個人のキャリアビジョンに合わせたキャリアサポートも充実させ、将来的に国連などの国際機関やNGO(非政府組織)などで活躍できる人材の輩出を目指します。

 もう一つの特徴は、入学直後の海外スタディーツアーや、3年次に行うニューヨーク州立大での留学という2度の海外体験をカリキュラムに組み込んでいることです。入学直後の海外スタディーツアーはイスラエル・エルサレムやリトアニア、インド、マレーシア・ボルネオを考えています。

 人種や宗教が異なるさまざまな国々において社会の矛盾にじかに触れることで、世界で何が起きているのかを体感してもらいたい。そして、現地の人々と交流することを通じて問題意識を醸成し、批判的精神や幅の広いコミュニケーション能力を養い、多様な文化や社会との共生、サステナビリティー(持続可能性)といったことの意味をじっくり考えてほしいと思っています。さらに、ニューヨーク州立大では、アカデミックな内容を学ぶための英語運用能力を身につけることを目指します。

 ――宮内学長は商社マンとして長年にわたり活躍され、サウジアラビアやメキシコなどでの駐在経験もあるそうですね。

 2016年に三菱商事副社長を退任するまで、70カ国以上を訪れました。1990年の湾岸戦争の時にはサウジアラビアに駐在し、戦争という極限状態の中で危機管理を学び、96年にはメキシコで塩田経営に携わりました。環境問題に取り組む中でNGOなどの国際組織の裏と表を知り、国際的な交渉の難しさを痛感させられました。そうした経験を踏まえ、グローバル社会をたくましく生き抜くチャレンジ精神旺盛な人材を育てていきたいと考えています。

 学生たちは皆、志を持って入学してきます。本学には長年培ってきた「自立学習」の語学教育システムがあり、そこに、理数系や芸術を含めたリベラルアーツ(教養)を付け加えることで、学生たちの付加価値を最大化したいと考えています。

 ――新型コロナウイルスによるパンデミックにより、世界は今、100年に1度とも言われる危機に直面しています。

 コロナ禍が我々人類にさまざまな課題を突きつけているのは事実です。新学部の船出も荒波にもまれながらのスタートですが、ICT(情報通信技術)の発達で、オンラインで世界とつながることができるようになりました。そうした技術を有効活用することで、教育を進めることはできます。

 古来、人類は大きな危機に直面した時に、次の時代につながるイノベーション(技術革新)を起こしてきました。ピンチにこそ、チャンスの芽があるのではないでしょうか。

 複雑で、想定外なことが起きるのが現代社会です。本学は世界的な課題に向かって未来志向で突き進む、主体的で行動的な人材を育てたいと考えています。その象徴的存在として、新学部のGLAで、タフでチャレンジ精神旺盛なグローバルリーダーを育てたいですね。

グローバル・リベラルアーツ学部を開設する神田外語大

語学教育システムを確立 各地の大学に提供も

 神田外語大の源流は、1957(昭和32)年に開学した「セントラル英会話学校」(現・神田外語学院)だ。仕事で使える英語の習得を目指し、教育は英語を母語とする外国人教員により行われた。さらに、語学教育と職業訓練を融合した教育により、商社やホテル、航空会社などへ人材を輩出していった。

 大学の開学は87年。国際的に通用する人材の育成を目指し、異文化コミュニケーションに着目した新しい外国語大の設立を目指し開設された。

 そして今、独自の語学教育システムが注目され、各地の大学にパッケージで提供されている。それを可能にしているのは、応用言語学の修士課程を修了した教員が、英語が母国語ではない学生に向けた英語学習について研究を進め、教育の質も担保しているからだ。

 来春開設されるグローバル・リベラルアーツ学部では、将来的に国際公務員やNGO職員といった高度なグローバル人材を目指す学生の育成を目指す。英語を学ぶのではなく、英語で学びながら思考力、教養に裏打ちされた洞察力を磨く。

 新学部には、世界で幅広く活躍したいという受験生に向けた舞台が用意されており、その行方が注目される。【中根正義】


キャンパス

〒261―0014

千葉市美浜区若葉1の4の1

学生数

4160人(5月1日現在)

学部

外国語学部

グローバル・リベラルアーツ学部(2021年4月開設)

ホームページ

https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/


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