毎日新聞
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キリスト教社会ではきょう6日は、イエスの生誕を賢者が祝った「公現祭(こうげんさい)」である。この日でクリスマス祝祭は終わり、飾り付けを外したりもする▲東京都中野区で洋菓子工房「きらら」を営む小松一恵さん(52)は、年明けのこの時期を楽しみにしている。クリスマスにケーキを注文した人から、「子どもが初のケーキを楽しみました」といった声が届くのだ▲ここのケーキは卵、牛乳、小麦粉を一切使っていないため、食物アレルギーに悩む子でも食べられることが多い。小松さんの長男(25)もかつて、卵にアレルギーがあった。「子どもがケーキに悲しい記憶を刻むのは可哀そうです」と小松さんは言う▲台湾に生まれた彼女は日本人と結婚し1992年に来日。パティシエの同僚と2人でケーキ店を営んでいた10年ほど前、何人かの客から、「アレルギーの子にも安全なケーキができませんか」と相談を受けた▲台湾の菓子には卵、牛乳などを使わず、米粉やココナツミルクで作るものが少なくない。それを洋菓子風にすれば、アレルギーに対応しながらも、おいしいケーキが作れるはずと挑戦してきた。今では全国から注文がある▲東京都健康安全研究センターの調査では、3歳までに食物アレルギーと診断された子の割合は99年の7・1%から2019年には14・3%と倍増した。「きらら」には最近もこんな感想が届いた。「家族でケーキを囲むことができました」。台湾の「知恵」が日本の洋菓子に明るい思い出を刻んでいる。
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