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なぜ大阪は緊急事態宣言を要請しないのか 死者は東京の2倍、高い病床使用率

時短営業の延長について説明する大阪府の吉村洋文知事=大阪市中央区の府庁で2020年12月25日午後2時39分、上野宏人撮影

 政府が東京、神奈川など4都県への緊急事態宣言の発令に踏み切る中、新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制の切迫が続く大阪府の吉村洋文知事は、宣言発令の要請は不要との立場を表明している。6日の新規感染者数は560人で約1カ月半ぶりに過去最多を更新し、重症者用の病床使用率や死者数が依然として高止まりしている状況にもかかわらず、府はなぜ宣言に慎重なのか。

 「緊急事態宣言は大きな副作用を伴い、社会経済活動を止めてしまう。最後の手段だ」。菅義偉首相が年頭記者会見で宣言検討を表明した4日。吉村知事は記者団にこう述べ、大阪でもより踏み込んだ対策を求める医療界などの動きに予防線を張った。発言には経済への悪影響を最小限に食い止めたい思惑がにじむ。

 民間調査会社「帝国データバンク」によると、府内のコロナ関連の倒産件数は2020年末現在で77件で、213件の東京都に次いでいる。大阪市は4~12月、約4000件の飲食店の廃業を確認しており、前年同期比で1・2倍に上る。府関係者は「経済をこれ以上冷え込ませる判断は難しい。それに時短要請が中心の宣言が発令されても今の対策とあまり変わらないのではないか」と言う。

 府は感染が急拡大していた11月27日から、繁華街を抱える大阪市北区と中央区の酒類提供の飲食店に絞って時短営業を要請。2回の延長を経て対象区域を市内全域に広げ、1カ月半近く協力を求め続けている。

 府によると、第3波の新規感染者数は12月4日までの1週間がピークで2631人に上ったが、年明けの1月4日までの1週間は1981人まで減少。厚生労働省の5日の発表でも、人口10万人当たりの直近1週間平均の新規感染者数は大阪は22・49人で、東京都(46・22人)など宣言が発令される首都圏4都県に比べ低水準になっている。

 府は時短要請の効果で感染拡大を抑え込みつつあるとみており、幹部の一人は「知事は現在の対策に手応えを感じている。内部で宣言要請の可能性を探る議論すらない」と語った。

病床使用率、死者数は突出

 しかし、足元では厳しい状況が続く。4日の重症者数は171人で過去最多を更新。府が確保する重症病床(236床)の使用率は72・5%で、実際に使える病床(208床)に対する使用率は82・2%に跳ね上がる。12月の死者数は259人で、138人だった東京都の約2倍。首都圏4都県と比べても突出する。

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