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「売り上げゼロに」「自助努力では限界」 緊急事態宣言、観光県・長野に危機感

旧軽井沢銀座通りを歩く観光客の姿はまばらで、閑散としていた=長野県軽井沢町で2021年1月7日午前10時28分、坂根真理撮影

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 新型コロナウイルスの「第3波」到来に伴い、首都圏の1都3県に「緊急事態宣言」が7日再び発令された。冬の観光シーズン真っただ中の信州。観光や交通などさまざまな業種に影響が出そうだ。

 7日午前、長野県軽井沢町の代表的な観光地、旧軽井沢銀座通りに人通りはなく、閑散としていた。例年ならにぎわっているはずの飲食店で働く女性は「年末年始の人通りはすごかったが、今はこの通り。緊急事態宣言が出たらさらに人出が減ると思う。今後店を続けていけるのか不安で仕方ない」と漏らす。

 土産物店の女性従業員は「『爆買い』の中国の方々が来るまでの10年ほど前の軽井沢に戻ったような静けさだ。別荘族の人も冬は軽井沢に来ない。これからは売り上げゼロの日も珍しくなくなりそうだ」と諦観していた。

 県外からのスキー客が約95%を占める志賀高原は、外出を控える人が増えることを見込み危機感を募らせる。

 志賀高原観光協会(山ノ内町)の担当者は「大変厳しい状況だ。書き入れ時のシーズンに入っていくだけに、関東圏の人たちが外出を自粛したら深刻な影響が出る」とため息をつく。スキー客の減少は周辺の旅館・ホテル、レストランにとっても大打撃となる。

 「旅館などに食材を納入する業者にも影響が出る。感染防止対策を最大限頑張って営業してきたが、自助努力では限界だ。国や県からの支援がないとやっていけない。先が見えないのが一番つらい」と頭を抱えていた。

 東京と県内を結ぶ高速バスを運行しているアルピコ交通(松本市)は、緊急事態宣言の内容や運輸関係の動向を検討して対応を決める方針。バスはこれまでも通常より大幅に減便して運行しており、さらなる経営への悪影響を懸念している。

 同社によると、松本―新宿線や長野―池袋・新宿線など県内発着の4路線は現在、共同運行を含め通常の69往復を41往復に減らして運行中。乗客数は昨年の緊急事態宣言解除後、夏場にやや回復したが、感染が再拡大した12月は例年の2割程度に減少したという。

 同社経営企画室の上嶋圭介課長は「高速バスは厳しい状況は変わっておらず、先が見えない。これから3月にかけては受験生の利用が多くなり、影響が心配だ」と気をもむ。

 北アルプスの天然水で仕込む日本酒「大信州」ブランドが人気の「大信州酒造」(松本市)は、「間違いなく売り上げが減少するでしょうね」と肩を落とす。首都圏での売り上げが2~3割を占めているといい、首都圏の飲食店への時短要請は売り上げ減に直結する。「これだけは不可抗力。(感染拡大防止のため)経済を止めるのは仕方がないが、新酒造りは止めない。できることをやっていくだけ」と前を向く。

 阿部守一知事は報道陣の取材に「県内も厳しい状況で、首都圏だけの問題ではないので、全体で感染拡大防止に取り組みたい」と緊急事態宣言再発令を評価する一方、「前回と違い(休業要請が)飲食店中心で、あらゆる分野に影響が出るわけではないが、観光は悪影響が出てくる。また、これから受験シーズンになるので、不安を抱く人もいると思う」と懸念を示した。【坂根真理、武田博仁、島袋太輔】

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